制作にあたって

T-34/76 1941後期型制作にあたって 2004.08
 
●制作を終えて

とにかく大変でした。よく完成させられたと思います。Newsにも書きましたがHDがとんだ時は本当に頭の中が真っ白になって1週間本業のほうも手が付きませんでした。
会社ではネットワーク管理者(まねごと)などもやっており、データバックアップの大切さは何より身にしみてわかっていたはずなのに「医者の不摂生」とはよく言ったもので自分のこととなるとおろそかになるものです。

本当はただの言い訳かもしれません。だってHDがとんだのは今年になってからですもの。じゃ2年間はなにやってたの?もちろん制作作業してましたよ。ちょっとずつ。
いや〜、いろいろあったんです、他にも。
子供が生まれたり、バイク買っちゃったり、もちろん本業も忙しかったり。←言い訳にならないですね。本当は申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そんなこととも知らずに多くの皆様より励ましのメールを頂いたおかげで精一杯良いものを作れたと思っています。僕としては確実に前作より進化した作品を皆様へご提供できたと確信しています。

それとやっぱり何かをやり遂げたという充足感は良いものです。この一瞬はほかの多くの喜びとは違った神々しさを感じます。いやーでもホント完成してよかった。


●なぜT34/76 1941後期型にしたのか

これは解説の必要が無いと思います。
下の4号戦車制作記録を読んでいただければすぐにわかっていただけると思いますが、つまり、処女作の最終候補にあがったのが4号D型とT34/76で、最初に4Dを制作したから今度は敵役のT34がラインナップに必要だと思ったからです。単純で申し訳ありません。

造形的にあまり面白みのある戦車じゃないな、と思いましたが作ってみると、これがなんとも味のあるデザインというか「これが実用一辺倒っていうことなのか!」って思えるほど設計者の思想が伝わってきました。侮りがたしスラブ魂。開発当時、ドイツとの不可侵条約が締結された際に3号戦車がソ連に送られ試作T34と比較されたことがあったようです。性能は当時ドイツの主力戦車であった3号戦車を走・攻・防の何れの面でも凌駕し、3号戦車が勝っていたのは居住性と芸術的な作りこみだけだったとか。国民性が良く出ている一例ではないでしょうか。

1941年型を狙ったのは初期型として最もメジャーな砲塔形状だと思ったからです。これは4Dと理由は一緒。ただ「後期型」としたのは3D設計が終わってからで、砲塔形状を考察して「後期型」に当たるとした。やや歴史解釈が誤っているかもしれないとは思いつつスターリングラード・トラクタ工場製の1941年式の特徴を盛り込んだつもり。この辺はまだ私も勉強不足と思うのでご意見ご指摘いただけるとありがたいです。


●今回のモデルについて

制作のヒントなどを書きたいと思います。と言うのも今回から組立て説明書のほうにコメントや説明文を載せることをやめたからです。どうしてやめたかというと、海外の方から「ファイルが開けない」という苦情が多数寄せられたからです。それと、国内よりも海外の方からのほうからメールを多く頂き、ケアする必要性を大いに感じたからです。そのかわり今回から全体図と全てのパーツ実装図をつけました。(とっても手間かかりましたが万国共通のわかりやすさを追求するとどうしても必要な作業だと判断しました。) 皆様にはご理解いただきたいと思います。

さて、今回のモデルは実はそんなに説明も要らないかなと思っております。唯一気になっているところは「ボディーの組立て」くらいでしょうか。これは2、3のマッドフラップを1の車体下部に取り付けてから4車体上部をはめると位置合わせがやり易いです。あまり公差を考えていなかったのでマッドフラップを下手に取り付けると左右にたれ下がり気味になります。必要に応じて4車体上部を加工してください。

あとは相変わらず細かい工作が多いです。めげずにがんばってください。




4号D型戦車制作にあたって
 2001.10

●制作動機

1年ほど前よりペーパーモデルの制作を行うようになった。
実は子供の頃よく作ったのだが、高校生ぐらいになって他の遊びに忙しくなり制作から離れてしまっていた。
私を再びペーパーモデルの道へ引き戻したのはYasu.Tanaka氏が運営するHPとの出会いである。
そこに並ぶ美しいF−1ペーパーモデルたちにわたしの制作意欲は十数年ぶりに激しく刺激されたのだ。
(是非訪れてみるべし。刮目に値する作品群が無料にてダウンロードできる。)
現代のペーパーモデルは昔と違ってPCでお手軽にカラープリント出力されるので塗装の手間がほとんどない。
幼児のいる私の生活環境にこの要素は大きくフィットした。しかも有機材をまったく使わないので安心だ。
また、www上には有料・無料の高品位なモデルデータが多数存在し比較的簡単に手に入れることが出来る。むしろ書店などで探す方がよっぽど困難だ。

そんな事情で無料モデルデータの収集や制作を行っていたのだが、そうしているうちに自分もデータを公開してみたくなった。困難なことは容易に予想できたが今日のPCソフトウェアによる制作環境は設計に関して全く未経験な私でも作品を作り上げることが可能であることを示してくれた。技術的問題に目途が立ったところで、こんどは何を作るかを決めなければならない。
国内を中心にいろいろなペーパーモデルのサイトを巡ってみたのだが私の大好きなミリタリー関係が意外に少ない気がした。(知らないだけ?)
そこで、「よし!戦車を作ろう!」と単純に思いついた。第2次大戦やそれ以前の物なら角張っていて面取りし易く思えた。「これはペーパーモデルに最適!設計初心者の私に丁度いい」などと思い込んだのだがすぐに現実の壁にぶち当たり8ヶ月にも及ぶ長く険しい道のりを歩むことになった。


●なぜ4号戦車、しかもD型にしたのか

初めて作る、いわゆる「処女作」である。記念すべき第1号に何を作るかを迷わないわけは無い。
とりあえず第2次大戦全戦にわたり活躍し、その国の代表的な戦車であるとともになるべく知名度の高い車種で有ることを選出の条件とした。 現代戦車も大いに興味あるところであったが想うところ有って次回に譲ることにした。

さて、処女作の候補としては以下の車種が挙がった。
英MkIIマチルダ戦車、MkIVチャーチル戦車、米M4A1シャーマン戦車、ソT34/76戦車、仏シャールB1戦車、
独4号戦車、5号パンサー戦車および6号タイガー1戦車
である。
まずマチルダ戦車とシャールB1戦車を候補から外した。これらは大戦中期には旧式化あるいは消滅しているので処女作としては少々マニアックで華がない。(それも一つの方向性だとは思うが...)
チャーチルとシャーマンは実際に活躍したのが大戦中後期だったので 大戦全戦とは言い難い。
独5号、6号は知名度が極めて高い魅力ある車種であったがその独特な足周りの構造に制作の自信が持てなかったために今回は見送った。
残るT34と4号の比較だが、これは難しい問題となった。
いずれも大戦全戦で主力を努めた代表車種であり知名度も高い。諸元性能的にはT34が優勢だが造形的なおもしろさとバリエーションの豊富さから4号戦車に決定した。

また、D型を選出した理由は、シリーズのなるべく初期の物から順を追って作りたいと思っただけである。とはいえA型やB型からではこれもまたマニアックな話なので、本格的な量産型であるD型を最初の車種に選んだ。(でも後期型。姿勢に一貫性無し)
迫力に乏しい75mm短砲身砲の作り込みをじっくり堪能してほしい。


●設計について
部品総数156点、3シート。キャタピラの工作箇所は両方併せて1,188箇所くらいある。そのうえ糊代などは面倒だったのでほとんど考慮されていない。実に独善的な嗜好になっている。これでいいのか?とも思ったが既に修正不能なところまで完成してしまったのでそのまま作業を進行し発表することになった。後日要望あれば修正版を検討するかもしれない。
弁解するようだが、最初から作る人のことを考えていなかったかというとそういう訳でもない。 いや、最初は考えていた。どうやったら気軽に組み立てられる物が作れるかを。キャタピラの部分はいっそのこと箱組にして車輪やキャタピラも絵でごまかしてしまえばいいかとか。しかし、それは私が望んでいる物ではなかった。自分が望んでいない物をどうして他人が認めてくれることが有るだろうか。
私がチャレンジしてみたかったのはペーパーモデルの可能性である。どこまでリアリティーを追求し、完成後の満足感を得ることが出来るか。その思いが一応この結果になった。初めて作るので部品構成に不慣れなところがあったとはいえとりあえずの目的は達成できたのではないかと思っている。故に複雑で細かい工作が多くなり組立易さの面では失敗している。結局マニアックな作り込みになったのは明らかで、作る人を選ぶ作品になってしまったことはご容赦願いたい。

スケールに関して、1/50にしたのは「有る程度ディテールを追求できて、それでも手のひらに乗るサイズで切りの良い数字」にこだわった結果である。
1/35や1/72に合わせることによって市販の模型パーツなどと互換性が保てるメリットも検討したが私的に「帯に短し襷に長し」といったところであった。要は飾る場所の占有スペースを優先したのだ。(既存の模型に対しても同じ不満があって購入をためらわせる)

気が短い人はノイローゼになるかもしれないのでやめた方がいいだろう。 自分で組み立ててみたが苦痛と喜びがぎりぎりの線でせめぎ合っているといった感想だ。私は普通 の会社員なので連続して制作する時間がなかなか取れないがそれにしても組立に1ヶ月かかるのはやり過ぎたかもしれない。