「木に縁りて魚を求む」(孟子)
2007.7.29参院選の結果を受けて、日本政府が行うべき経済社会政策の中心は地方再生である。これに取り組まないような政府は、もはや存在する価値はない。
財務省の経済財政政策は単なる縮小政策である。縮小政策をつづけていれば、日本経済は衰弱し、国家財政はさらに悪化する。まさかそんなことはあるまいが、小泉氏や竹中氏、財務省幹部は、多くの人間の命よりも国の財政のほうが大事だと考えているのではないか。そう思わざるを得ないほど、彼らのやり方は非人間的である。非情すぎる。経済財政政策の基本を変えなければならない。
地方再生のカギは、地方経済を活性化することにある。これには政府の積極策が必要である。政府・自治体が協力して、国民に理解され、支持されるような「国民のための新たな公共事業」を興す必要がある。全国各地において、その地域ごとの再生プランを立案し、実行することだ。このために、政府・自治体は従来の経済財政政策を変更し、積極策をとる必要がある。この地域ごとの再生プランをつくる上で重視してほしいことがある。港湾である。港は地域の拠点である。
このような議論をすると、東京のマスコミはすぐに「バラマキだ」「財政は破綻する」といって大騒ぎするが、いままでの経済縮小政策が財政事情をさらに悪化させたという事実を直視すべきである。経済を発展させることなくして財政再建は不可能であることは、はっきりしたことではないか。
いま、日本がとくに重視すべきは港湾の整備である。
世界はいま、大海運時代を迎えている。海は平和になった。もうすぐ空も陸も平和になる。平和な世界のなかで交易は発展する。物流は拡大する。物流の担い手は港湾と船舶である。最も安全に、最も安価にモノを運搬できるのは海運である。
いま、全世界的に経済社会づくりの新たな潮流が起きつつある。それは、港湾を整備し、港湾を拠点とする新交通体系を整備しようとする――すなわち、港湾を中心に新たな経済社会づくりを行おうという流れである。これを仮に「21世紀型港湾中核経済社会」と呼ぶことにする。
平和な世界における経済活動の最大の担い手が港湾である。世界中が港湾と港湾で結ばれるだけではない。陸の交通も空の交通も港湾中心に組み替えられようとしている。
自然環境保全、地球温暖化対策、省エネルギー――これらの課題を解決するためにも、海運中心経済の実現が必要である。船と列車はエネルギー消費量が少ない。海運と鉄道を中心とする新運輸体系への転換は、避けて通ることのできない課題である。(つづく)