Q君。君から、7月21日のアーミテージ米国務副長官の「(日本の)憲法9条が日米同盟関係のさまたげの一つになっているという認識はある」との発言について感想を求められましたので、書きます。
朝日新聞7月22日付け夕刊は「(アーミテージ氏が)日米同盟関係を強化するために集団的自衛権の行使を許していない憲法9条を見直すように促した」と書いています。さらに同紙はこう報道しました。「さらに副長官は日本の国連安保常任理事国入りについて『我々は強く支持している』としながらも、『常任理事国は国際的利益のために軍事力を展開しなければならない。それができなければ常任理事国入りは難しい』と述べた」。
Q君。最近ではマスコミまでが「日米同盟」を賛美しています。政治家は米国政府に向かってゴマスリ競争をしているように感じられます。
まことに由々しき現実です。
Q君。私は日本国民はアーミテージ副長官の露骨な内政干渉に対して断固たる抗議行動に立ち上がるべきだと思います。
アーミテージ米国務副長官はブッシュ政権の対日担当責任者といわれている高官です。「第二のマッカーサー」という表現をした人もいます。「日本の真の支配者」と言った人もいました。
以上は、アーミテージ米国務副長官が、7月21日に訪米中の中川秀直自民党国対委員長らとの会談で述べたものです。朝日新聞によると、「中川氏が(アーミテージ氏との)会談で、自民、民主両党で憲法改正を討論していく考えを伝えたことに対して答えた」ものです。
この記事から、日本の政治家が日本の国内問題について米国政府高官に報告し、指示を仰いでいるような姿が浮かび上がってきます。属国日本の政治家の卑屈さがにじみ出ています。これに対して「宗主国」米国政府の日本担当者が「憲法9条を変えなさい」と命令しているような感じすらあります。いまや日米関係は「主人=米国、従者=日本」の関係になっています。
「日本は独立国だ。独立国として行動すべきだ」と主張している政治家はごく少数です。私が新聞・雑誌で知る限り、自民党では加藤紘一元幹事長と亀井静香元政調会長の二人です。ほかに民主党、共産党、社民党のなかにいますが、ごく少数です。民主党内では「日本は独立国でなければならない」と主張する政治家としては鳩山由紀夫元代表などがいますが、このような政治家はごく少数です。
関岡英之著『拒否できない日本――アメリカの日本改造が進んでいる』(文春新書)で明らかにされたとおり、日本の政治は米国政府の国益追求に利用されているのです。日本政府は米国政府の手先と化してしまっているのです。ところが、政治家もマスコミも、日本が米国の従属国と化してしまったという現実を正視しようとしていません。この問題を避けています。そして、日米従属関係を意味する「日米同盟」を賛美しています。
「1947年には米占領軍から銃剣を突きつけられた状況で『日本国憲法』がつくられた。今また米国政府から銃剣を突きつけられて憲法改正を強要されている。二度までも外国から銃剣を突きつけられた状況で国の基本法である憲法をつくるような国は、独立国とは言えない。今度は拒否すべきだ。今は憲法改正をすべきでない」――元自衛隊制服組幹部の言葉です。
正論です。われわれは「アーミテージ憲法」のようなものは断固として拒否しなければなりません。
いま憲法改正を行うことは、日本を米国の属国として固定化してしまうことを意味します。平和国家の原則は大事です。重ねて申します。「アーミテージ憲法」を拒否しましょう。