《米国指導者の反応は冷静です。参院選直前、私は知り合いの上院議員と懇談しました。彼は「ミスター・サカイ、コイズミのイラク派兵決定はデモクラティックに行われたのか」と聞いていました。私が「国会の手続きは行われたが、国民の多数は納得していないと思う。本心は反対ではないかと思う」と答えると、「やっぱりそうか」と言っていました。
Q君。以上の酒井さんの話を君の親しい民主党議員に伝えてください。民主党に自民党と違う政策を研究するよう勧めてください。
Q君。私は民主党の今の実力を「40点」と採点しました(7月11日夜のFNN選挙特番と7月16日夜の朝日ニュースター「ニュースの深層」)。繰り返しますと、昨年11月9日の総選挙での獲得議席率は37%、今回の参院選での獲得議席率は43%――この平均値は「40」ということです。
Q君。君の親しい民主党議員にぜひ伝えてください。「雇用問題を重視せよ」、と。失業率の高いところで、地域草の根保守がより弱体化しているのです。
Q君。7月17日朝、ワシントン、ニューヨークで研究生活をつづけている酒井吉廣さん(『逆プラザ合意』の著者)と電話で話しました。米国の7.11参院選結果に対する反応について酒井さんの話の要点を紹介します。
自民党苦戦の情報は事前に米国にも入っていました。自民党は苦戦したが、公明党が自民党内にフィックスされて、自公合計では民主党を上回った。全体として小泉構造改革の流れに変化はない――これが米国の受け止め方です。
それに、米国側から見ると、民主党には政策らしい政策がない。英文にしてみると、自民党と民主党の政策にはほとんど違いがない。民主党は年金財源のため増税すると主張していますが、米国の政治のプロから見ると、年金のための増税という政策はナンセンスです。自民党は支給額を下げるとの主張ですが、いずれも国民の負担を増すものです。増税政策は支持されないというのが米国の見方です。
小泉首相が苦戦した原因は「小泉首相のおごり」にあるというのが米国側の見方です。米国は民主党に将来性があるとは見ていません。民主党には自民党と対決する政策がないからです。
米国から選挙結果を見ますと、やはり失業率の問題が大きかったのかと感じます。都道府県別得票率を見ると、失業率の高いところほど自民党の得票率は低い。民主党が失業問題を重視すればチャンスは来ると思いますが、今のままの政策では政権交代はむずかしいと思います。
日本の政界は小泉首相に代わる人がいないのではなく、自民党に代わる政党がない。だから日本は変わらない――と、米国は見ているのです。》
民主党が自公連合に勝つためには「40」を「51」に高めなくてはなりません。これは7月11日夜のFNN選挙特番でも話したことですが、民主党が政権獲得に向けて直ちに実行すべきは次の三点です。
(1)すぐれた人材を結集すること(すべての小選挙区で早めに候補者を決める必要があります)
(2)自民党に対抗するための総合的な政策を立案すること(これを全国的に広報する仕事に直ちに取りかかることが必要です)
(3)民主党の選挙組織を全国各地につくり上げること(今後は地方自治体選挙での自公民協力をやめ、民主党として独自の候補を立てて戦うことが必要です)
民主党がこの3課題を実行すれば、次の総選挙で民主党政権を樹立することは可能になると思います。
民主党は、今回の参院選において新たな農業政策を打ち出し、成果を上げました。鹿野道彦元農相(民主党衆議院議員)らが中心になって作成したのです。
今度は雇用です。働く人たちのための政策です。これを“ダラ幹”揃いの連合中央に任せたらいけません。各地域でそれぞれの基礎的労働組合を巻き込むべきです。失業問題に鈍感なままでは民主党政権は永遠に夢と終わるでしょう。
地域に雇用を創り出すためには地域経済の再生をはかる必要があります。その鍵は公共事業です。これに民主党は真正面から取り組んでほしいと思います。公共事業に対する偏見を改めるべきです。すべての国民を幸せにするおおらかな政策を打ち出すべきです。
自民党国会議員が小泉構造改革の共犯者になることによって捨て去った“郷土愛”の旗を民主党が担わなければならないと思います。
政治家にとって大切なのは、人間を愛する心、平和を愛する心、祖国を愛し郷土を愛する心です。小泉政治が捨て去った「温かい政治」を民主党が担わなければならないのです。「冷たい小泉政治」に代わって「温かい岡田政治」をつくり上げてほしいと願います。