2004.6.6
Q君への手紙(5)――『公共事業必要論』を書き終えて
楽観論蔓延の裏側で迫り来る日本経済の危機
「文明のおかげで人間の残虐さは醜悪になった」(ドストエフスキー)


 

 Q君。ブッシュ政権は本当にひどい政権です。イラクやアフガニスタンで残虐なことを行っています。どうして米国民はこんなひ どい政権を支持しているのか、と言いたくなります。しかし日本政府も似たようなものかもしれません。小泉政権はブッシュ政権に 忠実です。ブッシュ政権の言うがままに動いています。国内でも弱肉強食のアメリカ的政策をとっています。この小泉政権を日本国 民は支持しているのです。
 マスコミは小泉首相をほとんど批判しません。国会や記者会見での小泉首相の発言は聞くに耐えないほど不真面目で乱れたもので すが、マスコミはほとんど批判らしい批判をしません。Q君、どうかしていると思いませんか。

 政府は「景気は回復した」と胸を張っています。マスコミも景気回復の大合唱です。本当でしょうか。政府とマスコミは明るいと ころだけを見、暗いところを見ようとしないのです。楽観ばかりしていられない現実があります。
 二つの情報があります。暗い情報です。
 一つは日銀の金利政策変更についての情報です。米国の研究者から聞きました。“日本銀行は年末までにゼロ金利政策を変更し、 金利引き上げに踏み切る”という情報です。
 昔から「衆院解散」(首相)と「公定歩合」(日銀総裁)については嘘を言ってもかまわないといわれてきました。それほど重要 な問題だということです。日銀総裁はいろいろ発言していますが、ほとんど信用されていません。突如として公定歩合引き上げを決 めることも考えられないことではありません。
 “年末までに公定歩合引き上げ”の米国情報はきわめて刺激的なものです。今の日本政府の金融財政政策のままで公定歩合引き上 げに踏み切れば、借金返済に追われている中小零細企業と家計は大変です。“地獄がくる”との声も聞かれます。倒産増、自殺者増 という暗い予想が出ています。政府が景気対策を講ずることなく、今の引き締め政策のまま金利引き上げが実行されたら、またも日 本経済全体が冷え込むおそれがあります。金利引き上げの前に、国民生活を向上させる方向への政府の政策転換が必要です。公共事 業も拡大すべきです。

 もう一つの情報があります。UFJ銀行問題です。
  二つの方向から重要な情報が入ってきました。
 一つは米国の研究者の話です。「日本政府の金融庁からの話」と断った上で、次のように言いました――「UFJ問題は9月が最 大のヤマ。それまでUFJは関連会社を次々と売却し9月には本体だけになる。本体だけになったところで金融庁が検査に入り、破 綻か否かが決められる。米国政府内の見通しでは、竹中金融相はUFJへの公的資金注入に踏み切り、国有化する。米国政府の高官 は“竹中氏を信じている”と語っている」。
 竹中金融相と米国政府との関係は非常に密接のようです。米国の研究者は、「UFJの株が下がったから米国ファンドが株を買っ ている。破綻させ公的資金を処理するところでまた大量に買う。やがて経営権が米国ファンドに移るだろう」との見通しを述べまし た。どうやら米国ファンドはUFJを射程に入れたようです。米国ファンドは本気です。あたかも米国ファンドの野望に沿って竹中 金融庁の狙い撃ちが行われているように見えます。

 もう一つは国内情報です。UFJ関連情報は国内にも数多く流布されています。ここでは二つのみ紹介します。
 一つはベテラン国会議員――「大臣と金融庁事務当局の考えは違う。大臣は破綻させようとしているが、事務当局は存続を望んで いる。大臣と事務当局の綱引きになっている」。
 もう一つは金融専門家――「ぼくが得ている情報では、震源地は米自動車会社。GMとフォードとクライスラーの三大自動車会社 だ。とくにGMが中心。米自動車会社が強敵トヨタ打倒のために、ブッシュ政権を通じて日本政府に圧力をかける。ブッシュ政権は 小泉首相、竹中大臣の協力を得て米国ファンドがUFJを手に入れるようにする。UFJを通じてトヨタ情報を握る。同時に関連の 部品メーカーを押さえる。トヨタの情報を握ることができれば、トヨタとの競争が有利になる。これによってトヨタの頭を押さえ る。究極的なトヨタ打倒戦略が動き出している。トヨタ関連企業の情報はUFJが握っている。米国ファンドによるUFJ乗っ取り 工作が発動されたのだ」。
 以上の二つの情報とも、提供者はかなり社会的地位の高い人です。傾聴すべき情報です。検討すべき情報だと思います。何事も 「備えあれば憂いなし」です。このようなきびしい情報を参考にし、日本の国益を守るため努力すべきです。
 ともかく、日本国民として考えるべきことはUFJを応援し、UFJを守ることです。これを通じてトヨタを守り、日本経済を守 ることです。もうこれ以上、米国巨大資本に日本が蹂躙されないようにしたいものです。UFJを応援しましょう。全国民が力を合 わせUFJつぶしをやめさせましょう。

 小泉政権は日本国民よりブッシュ政権を重視しているように見えます。竹中大臣は米国側の利益を日本国民の利益の上に置いてい るように見えます。日本政府の要職にある者の魂が日本から離れてしまっているとすれば、ことは重大です。国を得るようなことは やめさせなければならないと思います。
 マスコミはあたかも金融庁の手先になったかのようにUFJ内部の欠陥を騒ぎ立てていますが、もっと総合的に見てほしいと思い ます。竹中金融庁がなぜUFJを狙い撃ちしているのか、これがどのような結果をもたらすかを考えるべきです。マスコミはあまり にも無責任です。政治権力に利用されるマスコミは有害です。竹中金融庁の政治的意図を追及すべきです。
 Q君、ではまたあした。