2010.2.3(その4)

森田実の言わねばならぬ【97】

平和・自立・調和の日本をつくるために[97]

《新・森田実の政治日誌》[月満つれば欠く・小沢政治の終焉(20)]小沢・鳩山政権の本質〈その7〉小沢氏のカネヘの異様な執着心

「財を先にし礼を後にすれば民利(むさぼ)る」(孔子)



 小沢一郎の元側近たちは最近、ようやく重い口を開いて、小沢氏のことを語るようになった。元側近の口が重かったため、小沢氏の実像がなかなかつかめなかった。小沢氏の特徴について、元側近は同じことを語った。「とにかくカネに対する執着は尋常ではない」と言う。ある元側近は「守銭奴」のようだったと言っている。とにかく徹底的にため込むだけため込む。がめつい。資金団体を各地につくって巨額の資金をためている。さらに不動産を買うことに執心している。「小沢のように政治資金で不動産を買い集める政治家は見たことがない」と元側近は語っていた。

 「日本全土の土地を買って、『小沢不動産』として支配するつもりなのかね」という冗談を言った人もいた。こんなことを言いたくなるくらい、小沢は数多くの不動産を買い漁ってきたそうである。

 「選挙のためならカネを湯水のように使うと言われるが、これは小沢個人のカネではない。党のカネを動かしているのだ。カネをもらった人は、小沢個人が身銭を切ってくれたのかと感激して小沢シンパになるが、実際は党のカネだ」と語るのも、元側近である。

 マスコミ報道が真実だとすれば、西松建設のように、土建屋を掌握してカネを集めたとすれば、その点は、田中角栄仕込みだろう。田中の場合には闇将軍になってからも新潟県を押さえつづけていた。新潟県から建設省へ陳情に行く際には、建設省へ行く前にあらかじめ田中邸に集まり、田中の指導を受ける。田中が地図を広げて指示し、そこから田中自身が建設省の幹部に電話して話を通すというやり方をしていたという。

 小沢一郎も岩手、秋田の公共事業をがっちりつかんでいたようだ。小沢一郎が野党になったあとも建設省の東北部門は小沢とつながっていた。小沢とつながりの深かった建設省のドンと言われていた人物が裏で動いていたとのことである。これは私自身の体験だが、東北地方へ講演に行ったときに建設会社の社長がいたので「公共事業をやっていますか」と聞くと、「やっていません。うちは小沢さんに献金していないので、リストにも入れない」と言っていた。この手法で、野党にいながら公共事業を押さえていた人物は、小沢以外にいないのではないかと思う。

 「現役の政治家で『大財産』をもっているのは鳩山兄弟、麻生太郎、小沢一郎くらい」だといわれるが、鳩山兄弟、麻生が先代から相続した財産であるのに対し、小沢は自らがつくり上げた財産である。この点は田中角栄ばりである。「小沢は政治活動を通じて巨額のカネを握った」と元側近は言っている。

 政党や派閥が分裂するときは、政治資金を国会議員の数に応じて配分するが、しかし小沢は分割せずに独占してきた。「小沢は異常なほど独占欲が強い」と元側近は語っている。自由党が分裂したときも、小沢は分派には一銭も分配せずに、政治資金、政党助成金を独占し、根こそぎもっていったとのことである。自民党では派閥が分裂したときは、派閥にためていた政治資金を人数割りに分けて配分していた。しかし小沢は分派には渡さず独占した。しかも、小沢はそうして手にしたカネを政治活動で使った形跡がないという。その上、自由党分裂の時は事務所の備品から、反小沢派の議員の個人所有のものまで取り上げてもっていってしまったそうである。カネもモノもすべてを独占してしまう。敵になった人に分けるという気持ちはない。元小沢側近の話を聞けば聞くほど小沢は金欲、物欲の塊に見えてくる。

 小沢が実権を握って何をしたいのだろうか。「政治を通じて巨額のカネを手に入れることが最終的な目的なのではないかとさえ思えてくる」と、かつての側近は言っている。彼がなぜそんなにカネに執着するのだろうか。「カネが権力そのものだというのが小沢の考えです」と元側近は話している。政権交代を成し遂げ権力を手にした小沢はこの権力を使ってさらに財産を増やそうとしている。カネと議員の数を握れば権力を手に入れ、その権力によって反対者を粛正する。ここに小沢の本当の狙いがある。(つづく)