2010.1.29(その3)

森田実の言わねばならぬ【82】

平和・自立・調和の日本をつくるために[82]
《新・森田実の政治日誌》政局急変/民主党と検察当局との全面戦争は回避すべし

[以下は『通信文化新報』1月25日号の「森田実の世相を斬る」欄に執筆した私の小論です]

「一歩後退、二歩前進」(レーニン)



 民主党は、1月16日の党大会で小沢一郎幹事長の秘書と元秘書三氏を逮捕した検察当局に対して全面戦争を行うことを宣言した。小沢幹事長の側近は、検察庁という官僚機構を解体することを宣言した。立法府の第一院である衆議院の過半数をもち参議院の第一党となった巨大与党の民主党と国家機構の中心に位置する検察庁との全面戦争は、日本の政治に甚大な悪影響を及ぼすこと大である。

 今後の情況をみる上で重要なのは世論の動向だ。民主党は潔白を主張する小沢幹事長を全面的に支援するとの方針を決定した。

 鳩山首相も小沢幹事長の検察当局との全面対決を支援することを言明した。

 小沢問題は後半で決着をつけるしか道はない。政治の場でこれを行うことには無理がある。小沢幹事長一人を守るために検察当局を解体してしまうという議論は行き過ぎている。小沢氏は大人の対応をしてもらいたい。

 小沢幹事長を擁護する政治家やジャーナリストは、今回の検察当局の行為は小沢幹事長を政治的に潰すための策謀であると主張している。だが、いまや小沢氏は政治・与党の大リーダーである。このことを忘れてはならない。

 国家機構の立法府と行政機関の最も重要な機関である検察当局との全面戦争は国政を混乱させ、国民に大きな不利益をもたらすおそれがある。指導的政治家が考えるべきは、この点である。国民第一主義に立つべきである。

 政治指導者は大局的視点に立って局面の打開を図る必要がある。それができるのは小沢幹事長自身だ。小沢幹事長は自らの潔白を証明するための場を法廷に限るべきである。政界全体をこの戦争に巻き込むべきではない。

 小沢幹事長は、幹事長の仕事の一部を興石幹事長職務代行にゆだねることにすると言明したが、もう一歩進めて自ら幹事長を辞任し、新体制にゆだねるべきだと私は思う。

 繰り返すが、立法府と行政機関との全面戦争はやるべきではない。小沢幹事長は大局に立って一歩身を引いて、裁判における潔白の証明に専念するのが指導的政治家としてとるべき道であると思う。民主党全体が大人にならなければならない。

 今後もしも小沢事務所の不正が証明されたとき、大権力者になった小沢一郎氏の最高実力者の時代は終焉する。政治史の大転換点が近づいているのかもしれない。