2010.1.26(その1)

森田実の言わねばならぬ【71】

平和・自立・調和の日本をつくるために[71]
《新・森田実の政治日誌》香川県多度津町の小國宏町長からの手紙/下水道事業の大切さと地方自治体のあり方、多度津町と夕張市の比較

「すべての偉大な人々は謙虚である」(レッシング)



 小國宏・多度津町長は大変に謙虚で偉大な人物であり、私は深く尊敬している。  多度津町は香川県西部の備讃瀬戸に臨む古くから交通の要衝として栄えた街である。四国の流通の拠点である。農業、漁業、工業がバランスよく発展している気持ちのよい町である。小國宏町長は1978〜80年の大平正芳首相の後半期に首席秘書官として政権の中枢部で活躍した。謙虚な人柄で多くの人々の信望を集めた方である。この小國宏町長から下水道と地方自治体のあり方に関するお手紙をいただいた。多くの人々に読んでいただきたいと考え、以下に引用させていただく(お手紙と論説の本HPへの引用をお許しいただいた小國町長に感謝します)。

 1.下水道は環境事業である

《(前略)昨年12月、産経新聞「正論」欄に掲載された屋山太郎さんの記事は、下水道事業についての無知、無理解に加えて、北海道夕張市の財政破綻を例にするなど、その内容には私も憤慨したものです。別紙のとおり産経新聞社宛に私の意見(後掲)を送りましたが、屋山さんからも産経新聞社からもなんら反応はありません。

 私は、その間、森田先生がHPに書いた屋山論文への論評を読ませていただきました。まさに強力な援軍を得て、嬉しく思いながら、仲間への呼びかけをしております。私は早くから、国に対して下水道事業は環境事業であると位置づけ、地方にあっては、自然を守り、水資源を守るのは下水道と言い続けております。

 先生のホームページの下水道論については、いずれ全国首長の下水道懇談会の折に、また、日本下水道協会の理事会に持参しようと思っております。(中略)ご縁の数々を思い出しながら、いま改めてご支援いただくことを本当に嬉しく思います。(後略)》

[小國宏様。お手紙ありがたく拝読しました。ご好意に対し深く感謝いたします。小國様の姿勢を支持します/森田実]

 2.多度津町と夕張市の比較分析

《「正論」(2009.12.1)屋山太郎先生論文への意見(小國宏・多度津町長)  12月1日付の貴方の意見の中で一部誤解が感じられるので、地方で苦労しながら、町の経営に努力している者として申し上げたい。

 夕張市の財政破綻の原因として、下水道債のことが取り上げられていました。平成16年にニュースになったことにより、私は、夕張市のことを知りました。出鱈目とは言いませんが、想像も出来ない財政運営でありました。その内容を簡単に表にします。倒産の主原因は、歳入と人件費のあり方と思えます。

平成16年度決算比較  夕張市     多度津町
人   口      13,001人    23,613人
歳入地方税      9億7000万円   29億2000万円
地方交付税      45億9000万円  15億3000万円
歳入人件費      27億5000万円  17億7000万円
職員数(一般会計)    274人      192人
C06018.HTML 職員数を比較して下さい。一般企業なら歳入より多い人件費支出で倒産します。  どこの町も住民サービスは大切ですが、財政が厳しいので職員の定数削減を進めています。私の町なら、住民から理解されません。民間は、もっと厳しいと。

〇二ュースになったあと、職員の大量退職が見られたと発表されていました。なぜそのことが、予めできていなかったのでしょうか、と思います。

平成19年度決算比較  夕張市     多度津町
人   口     12,631人    24,016人
歳入地方税    10億6000万円   32億3000万円
地方交付税    42億2000万円   11億8000万円
歳出人件費    7億7000万円   16億6000万円
職員数(一般会計) 127人     187人
〇私共の税収が多いのは、過去先人が、努力し、企業誘致の成功によるものです。  下水道整備がなされていないのでは、誘致は、できません。

〇下水道事業は、地方にとっては、環境事業です。昔と異なり汚染された水により河川・ 地下水などいずれもひどいものです。今は、改善されています。

?当町において、下水道普及率は、56.6%と約20年、約100億円借金があります。それでも町民は、衛生的な生活ができ、小さな河川でも流れる水が、昔より良くなったことで納得してくれています。

〇汚水整備の進め方は、国の指示でなく、自らが、計画するもので下水道整備区域は、町議会の承認を得て計画的に進めており、合併処理浄化槽の整備については、経済性や効率性を総合的に勘案し、下水道整備区域外において、町単独補助をつけて取り組んでいます。

〇地方交付税の配分にも驚かされます。

多度津町の汚水処理整備状況
住民基本台帳人口    23,832人
下水道供用開始人口(1)   13,499人(下水道普及率56.3%)
合併処理浄化槽人口(2)  2,073人
汚水処理人口(1)+(2)   15,572人(汚水処理普及率65.3%)》