2010.1.25(その3)

森田実の言わねばならぬ【70】

平和・自立・調和の日本をつくるために[70]
《新・森田実の政治日誌》[月満つれば欠く・小沢政治の終焉(11)]無意味な紛争を求めつづける小沢一郎〈その4〉アングロサクソン崇拝は日本を破壊する

「日本ではいまの科学の『成果』のみを受け取ろうとしノこの成果をもたらした精神を学ぼうとしない」(ベルツ)



 小沢一郎も菅直人も政治と官僚の関係について、イギリスモデルをいまの日本に導入しようとしている。民主党の政治主導・脱官僚主義のモデルはイギリスである。小沢や菅は、イギリスの政官システムは日本よりすぐれていると考えているが、これは、歴史、文化、風土の違いを無視した議論である。しかも、イギリスモデルの一部分のつまみ食いである。

 官僚とは、広義の意味では公務員一般である。公務を担う集団である。議会制民主主義のもとでは、議会によって選ばれる行政府の長(首相)と内閣の指揮のもとにおかれる行政組織である。

 官僚制の歴史は長い。政府の形成とともに始まる。

 日本における官僚制は、古代においては中国の官僚制度から強い影響を受けて形成された。古代中国においては、官僚は天子の補佐役という位置づけであった。日本も同様であった。官僚は天皇の補佐役として位置づけられてきた。武家が政治の実権を握ったのちは、官僚制は征夷大将軍の補佐役が組織化された集団であった。

 明治以後、近代国家になって以後は、西欧諸国の官僚制を取り入れた。日本における官僚制の形成である。第二次大戦後は、新しい憲法のもとで官僚制は再定義されたが、本質的には欧米型である。

 現在においては国家行政組織としての官僚組織は「内閣の統轄の下に、明確な範囲の所掌事務と権限を有する行政機関の全体によって、系統的に構成されなければならない」「内閣の統轄の下に、行政機関相互の連絡を図り、すべて、一体として行政機能を発揮するようにしなければならない」と規定されている(国家行政組織法第2条)。

 行政機関は明確に内閣の統轄のもとにおかれているのである。民主党が自民党時代の指導的官僚が、「内閣の統轄」を超えて勝手に動いたとするのは甚だしい曲解である。このような誤解の上に立って、イギリスモデルの一部をつまみ食い的に導入しようとしている。しかも独断的、強制的に行っている。大切なのは「調和」である。紛争は不毛である。(つづく)