2008.9.2(その1)
森田実の言わねばならぬ【594】

平和・自立・調和の日本をつくるために[589]
福田退陣と今後の政局――早期解散・総選挙へ〈1〉

「明日ありと思う心の仇桜、夜半に嵐の吹かぬものかわ」(『親鸞聖人絵詞伝』)



 福田首相の退陣表明で政局は一気に動き出した。これからは総選挙一色。解散は近い。いよいよ決戦の時がきたのである。
 最近、福田首相に近い筋から「総理は粘り強い人。粘れるだけ粘る構えだ。やる気がある」との情報が頻繁に寄せられていたので、もう少し粘るかなと思っていた。
 ただ、私は最近まで、福田内閣で解散・総選挙を行えば政権が交代する可能性が高いので、自公連立政権はより人気のある新首相で総選挙をやるのではないかとの見通しを語ってきた。自民党が政権を維持するためには、福田首相は秋口に退陣し、マスコミを巻き込んだ大々的なお祭り的自民党総裁選で自民党のイメージアップをはかり、新首相が国民受けのする新政策を打ち出して総選挙を戦うしか道はないと語ってきた。
 自民党がたとえこれを行ったとしても、総選挙における劣勢を挽回することは困難かもしれないが、とにかく、自民党に残された道は、福田退陣→オープンな総裁選→人気のある新首相選出→国民受けする新政策でいくしかないのが現状である。

 9月1日夜は久しぶりに忙しかった。内外の新聞記者とラジオ局から約20本の電話がかかってきた。それでも昨年9月の安倍辞任のときよりも少なかった。
 私の談話は9月2日付毎日新聞朝刊(26面)と同東京新聞(26面)に掲載されている。【「毎日」談話】「総選挙対策だろう」 総選挙で自民党が生き残るための策だと思う。党代表選挙で小沢氏に一本化した民主党に対し、自民党は9月中に総裁選を米国大統領選並みに大々的にやり、オープンな議論でイメージアップを図る作戦だろう。新体制で政策を発表し、選挙になだれ込むつもりではないか。
【「東京」談話】「首相捨て身の戦術」 首相は常識のある人。自らの手で解散・総選挙を行えば、自民が敗北することは見えていた。突然の辞任のようだが、民主の動向を見ていたのだろう。自民はきっと大々的に総裁選を行い、小沢(一郎)代表の無投票三選が確実となった民主との違いを際立たせるイメージアップ作戦を展開するはずだ。サミットでの人気回復に失敗し、低支持率にあえぐ首相が打って出た、捨て身の戦術といえる。

 マスコミは「無責任な政権投げ出し。1年前の安倍と同じ」との見方が強い。たしかにその面はあるが、これは半分の事実だ。1年前の安倍の場合とは違う。半分は福田戦略だと思う。今回の福田辞任には身を捨てて自民党を守るという福田首相なりの狙いがあるとみなければならない。これから自民党がどう挽回策をとるか、注目すべきところである。(つづく)