亀井久興国民新党幹事長の抜群のすぐれた国会質問演説に学べ。亀井幹事長の質問演説は、竹中平蔵総務相を圧倒した。竹中総務相は亀井幹事長の質問中に顔をしかめるような無礼で権力者的態度をとった。竹中総務相は、いつからそんな傲慢な権力者的態度をとるようなエライ権力者になったのか。亀井幹事長は、小泉・竹中構造改革によるNHK破壊工作を阻止するために起ち上がった。亀井幹事長のすぐれた「NHK論」に学ぶべきである
「誠実に勝れる知恵なし」(ディズレーリ、19世紀の英国の政治家)
亀井久興国民新党幹事長は誠実な政治家である。NHKの2006年度予算を決定する衆議院総務委員会の審議がNHKで放送された。3月17日(金)から18日(土)早朝にかけて録画中継された。私はこれをすべて見た。
ところが最後になって総務委員会は盛り上がった。それは真打ちというべき委員が登場したからだった。亀井久興委員(国民新党幹事長)が登場したのである。
亀井久興委員は、創立時は民間だったNHKが戦時期に国営となり、戦争に協力した。NHKは戦時中は軍国主義政権の報道機関となった。戦後のNHKは、戦争の反省から出発した。NHKは政治権力から独立した公共放送として生きることになった。公共放送ではあるが、政府から自立した存在でなければならない。ジャーナリズムとしての自立が保障されなければならない。
いまの日本において、NHK問題は最も重要な政治のテーマである。日本のマスメディアを独占的に支配しようとしている小泉首相・竹中総務相らの構造改革主義者の、NHKを弱体化し、日本人の放送局から従米主義者の、さらにいえばアメリカ政府と日米両国支配層の宣伝機関にしてしまおうとする危険な陰謀を阻止しなければならない。
5時間以上の及ぶ国会(衆議院総務委員会)の審議を見ていて感じたことは、第一に委員会のメンバーが若く経験の浅い議員ばかりだということである。自民党には中年の議員も経験豊富な議員もいる。総務委員会のような重要な委員会のメンバーに、政権党の自民党が若い議員ばかり送り込んでいるのはどうしたことか。総務委員会の委員をあたかも小泉チルドレンクラスで固めているように見える。竹中総務相への応援団として動員されているのかもしれないが、あらかじめ用意したペーパーをやっと読んでいるような杜撰な質問が少なくなかった。猛省を促したい。
自民党、公明党、民主党、共産党、社民党の委員の質問は、いずれも新聞報道の範囲をほとんど出ていない、底の浅い、中身のないワンパターンの質問ばかりだった。
質問に立った10人を超える委員のほとんどが中身のない希薄な質問をしていた。国会議員の力量が落ちていると考えざるをえない。
亀井久興委員が話し始めると委員会全体が緊張した。とくに竹中総務相の緊張が目立った。亀井委員のNHKのあり方についての意見は堂々たるものだった。時々竹中大臣の顔がテレビで映されたが、顔をゆがめ、渋い顔をする場面があった。竹中氏の未熟さが目立った。国会で顔をゆがめるような大臣は前代未聞である。しかし、竹中総務相は亀井委員に反論できなかった。
亀井久興委員はNHKが政府から独立した公共放送であることについて、竹中総務相に確認を求めた。竹中氏はこれを認めた。竹中総務相は亀井久興委員の堂々たる正論に対して異を唱えることはできなかった。竹中氏は敗北した。
NHKは基本的にはいまのままでよいのだ、と私は思う。政府と自民党・公明党との与党が口を出すべきではない。あとのことは、NHKにまかせればよいのである。繰り返すが、政府が介入すべきではない。NHKは幹部と職員の真面目な努力により国民の信頼を回復する。そして、聴視料の未納者を説得により減らす努力によって経営の改善を図るべきである。
[この項つづく。以下では亀井久興委員の質問演説を紹介したい――森田実]