1998年8月

 おもしろいニンゲッンを見た。自分では「過激なつもり」「喧嘩ばかりしているつもり」で、その実、情けないほどに意志が弱く、言動への責任もとれない、というタイプ。パソコン通信やインターネットで「世界にむけて情報発信」しちゃったり、「自分のサイトの管理」なんかをしちゃった自我が肥大した時に生じる典型的なタイプなんだけれど。

 「高等教育フォーラムの続き」の末尾に少しだけふれておいたけれど、この御仁、某MLでも同様のことをやってのけて笑いをもたらしてくれた。やりとりの途中で、突然話題を一般化してそらしたり、批評を非難ととりちがえて「おまえにそんなこという資格あるのかよ」みたいなことを言い出す、というのは、「完璧な人間なんかいない」というお題目のもとに好き放題しているのと似通った迷惑ぶりがある。あなたが完璧ではないということと、あなたが無責任に好き勝手やるのとは別の問題なんですけれど。

 結局、MLではなんだか一方的に私が相手を「非難」していることにされ、自分はこんなに若手の気持ちを知っているいい人なんだ、という主張の後、ぷいっと退会してしまった。こちらとしては、MLでやるべき話題ではないと思いつつも、とりあえず一通だけ相手に返事を出したのだが、その時にはもう退会していたらしい、ということに。言いっぱなしでけつまくられるのも感じが悪いし、一方的になんだか決め付けられたまま耳をふさいでいなくなってしまうというのもちとフェアではないぞと思ったので、「やりとりのけじめとして」MLに出した返信を個人宛に送信し、かつ「返事の必要はありません」と明記した。

 なんと、即座に「返事」がかえってきたのである。なんだか、いろいろとまたしても一方的な決め付けがならんでいたが、それは彼の無知故の言動であるし、彼流の「人生哲学」の結果なのでもあろうし、まあいい。なによりも傑作だったのは、こちらが「けじめとして送るだけなので返信はいらない」と明記したのにもかかわらず、それに返事をよこした上、「返信はしないでください.この議論は不毛です.」ときたことだ。webへの「苦情」の時もそうだったのだけれど、このヒト、ようするに「自分にとって気持ちよくない」ことを誰かがしていると懸命になって「苦言を呈」して自己正当化をはからざるをえないかわいそうなヒトだったのだ。だから、「返事無用」としてあるのに、わざわざすばやく返事をよこして「少なくとも貴兄とあまり真面目に議論したくはありません」などとしゃあしゃあといってのけ(だったら返事しなきゃいいのに)、さらに「返信はしないでください.この議論は不毛です.」などとやってしまえる。きっと、なにやっても許されるとってもえらいひとなんですね、この人の精神世界では。

 「ねちけっと」云々にしても、所詮は「彼が気に入らなかった」というだけのことを「ねちけっと」にすりかえて「飛び越して上に苦情」をやったものであった。情報の公開という事態に不慣れな大学組織は学外からこういう「苦情」がくるとあたふたとしてしまうわけで、そういう様子を横目でみてちょっと偉くなった気分にでもなっていたのであろう。

 これ、パソコン通信でちょっとSIGOpになった、SubOpになった、というだけで、自分はこの世のすべての正義の代弁者であるかのような妄想にとらわれて暴走した手合いどもとまったく同じ精神構造といえる。想像に違わず、この方も某国立研究所のwebサイト管理なんかをしているわけで、言論というものに対するゆがんだ自意識が肥大しちゃったタイプなのである。

 「ねちけっと」をふりかざし、私に対して「インターネット上での個人攻撃はネチケットに違反する行為では無いかということを申し上げているつもりです.しかも、そうした行為は、相手の品位では無く御自身の品位を貶めている結果となっているというのが私の感想です.・・・私も同じ大学を卒業したものとして、容認できないものであると思いますので、都立大のサーバー管理者に対して苦言を呈するつもりです.」とやらかして、本当に都立大理学部の電子情報委員に「苦言を呈」しちゃったあなたに、ネチケットガイドラインからふたつだけお見せしておきますね。

システム利用者の行為に関して、そのシステム管理者を非難してはいけません。

ある人の発言は、その人の個人的な意見であり、(特に明示していない限り)その 所属組織の見解ではないものと考えましょう。

 ですよ。「都立大のサーバー管理者に対して苦言を呈する」などというそれこそ「ねちけっと」違反を、ねちけっとふりかざすあなたがやってはいかんでしょうに。そんなあなたも某国立の研究所ではサーバー管理者なのですよね。ほんと、御自愛くださいませ。あ、でも無責任に「苦言を呈」しちゃうのはあなたの「人生哲学」故の甘えなのかもしれませんね。他人がネチケット違反(?)するのは許せないが自分は特別だからいい、とか、よそでいわれているネチケットなんかネチケットじゃない、俺の価値観だけが本当のネチケット(?)なんだ、といった。10近く年上のオヂサマに甘えられてもこまっちゃいますけど・・・

 とりあえず、MLではカッコイイ捨てぜりふをしてから消滅することに成功したわけで、現在のところシアワセな日々を送っているはずだけれど、その性格上、いつまでの安静にはしていられないだろう。じきにどこかにまた登場して衆目を楽しませてくれるであろうことを私は確信している。
 そういえば、自意識の過剰ぶりといえば自分の発言の意図をあげて「そう感じた方は少なからずおられると思います」とやってくれたのもテンケイであった。「さいれんとまじょりてぃ理論」である。その自己認識が正しいかどうかは、それこそMLをみていた人達が一番よく知っている。(知っているからこそ、こういう文言は私宛のメイルにしかかけなかったのだろうけれど)。「さいれんとまじょりてぃ」とは、この場合、自我が未成熟なニンゲッンが自分の私的な感想や傲慢にすぎないものに対して、「何もいわないけれどみんなは自分を支持してくれている」という妄想をいだくことによって補強する、という際にでてくる。実際には、ほんの一人か二人がこそこそとメイルで同病あい哀れんでいるだけだったりするのだけれど。トンデモ系にもよくある認識・思考パターンである。(そんな人が研究所で研究してていいのか、というのは別の問題だけれど)

 この方のwebサイト、NTで動いているらしい。どうも、素人に毛のはえた程度の人がNTに手をだしている時、というのには二つの大きなパターンがあるような気がする。一つは、unixに対する恐怖心から、ちょっとでもわかりやすそうなものを、ということでNTになった場合、もうひとつは、「95や98なんてシロウトさ、オイラのなんかマルチプロセッサさ」という自慢心でNTに手をだしている場合。この方の場合はどうなのだろう。unixに手はだしたくない、という言葉もどこかにあったからとりあえず前者ではあろう。両方、という可能性もあるけれど。米国の軍艦のようなことにならないことをお祈りしています。

 そうそう、前回ここで書いた「毒ガス発生センセイ」は元気です。あの後もしばらく「壊れて排気できないドラフト」で実験をしていましたが、先日ようやくドラフトも修理され、とりあえず、学生達もあれ以上ひどい目にはあっていません。このセンセイ、上の方のオトモダチらしく、上の方の「苦情」の時には嬉々として研究科長のところにとんでいったりもしたそうな。阿部がいじめたから某助教授は大学にこなくなった、なんていうことを学内で言って歩いたりもしているらしい。おいおい、委員会の席で、他の委員もみている前でその某助教授にむかってヒステリーをおこし「おまえなんか大学をやめちまえ」と怒鳴りつけたのはあなたでしょ。忘れちゃったのかしら。「ボクも今日の委員会ではゲキロンをたたかわせてきたよ」とあの時は一日愉悦の表情を浮かべて御満悦だったではないですか。

 それはそうと、生物の電子顕微鏡室、あいかわらず60-80%の湿度を維持。なんせ、せっかくいれたエアコンを使っていないのですもの。湿度をはかろうともしないし。

 そういえば、この人もNTユーザーだったな。しかも後者のタイプ。