MD-5000の画質をチェックする

年賀状シーズンの到来に加え、いままで出力した写真が色あせてしまったショックと、そして、模型作りの再開にともなって、溶融型・昇華型のプリンタが欲しくなった。これまで使っていたEpsonのMJ510だとテキストを印刷しても細部がちょっとにじんだりして美しくなかった、ということもある。MJ-770Cとちょっと迷ったのだけれど、昇華型ということと、クリアデカールへの出力ができる、ということが決め手になった。オプションが近所では入手困難という難点はあるけれど、アルプスへのFAX通販で数日で届くので問題なし。事実、昇華型キットにいたっては新宿のヨドバシカメラだと「注文受けて2週間くらい」といわれたのが、営業日で三日で届いたし。

元となった画像はDC260の高品質側で撮影した画像。曇天。大学で実習・実験用の生物を飼育している鉢に咲いたホテイアオイである。この画像をそのまま(画像には一切手を加えずに)をMD5000の各モードで印刷した後、1600DPI相当で花弁の一部(およそ2mm×1mm)をスキャンしたものが以下である。それぞれ、昇華型600DPI、VD専用紙にVD印刷、普通紙にMFコートを用いてVD印刷、普通紙に標準印刷である。

昇華型

VD専用紙

VD普通紙

標準普通紙

昇華型は、600DPIだが、さすがに階調の出が美しい。VD専用紙での出力は見た目では昇華型と比べてそれほど大きな差はないのだけれど、よくよく観察すると色の違う部分には顔料分の微妙な凹凸が見られる。普通紙へのVD印刷は専用紙よりもいくぶん荒くなるようで、MFリボンを使うのは用紙の選び方とあわせて考えるほうがいいのかもしれない。

普通紙への標準印刷は、この比較の中では最も荒いものだけれど、ちょっとした印刷物をつくる分には十分な品質である(2mm×1mmの範囲の拡大だということをお忘れなく)。実際、MD5000に買い替えてからはちょっとした画像などでもチェックや記録用に気軽にカラー出力をするようになった。でてくるプリントがインクで湿気ていないというのも扱いが楽で、気軽さに貢献してはいると思う。

インクジェットプリンタは、「プリンタ」という感覚だったのだが、これは「印刷機」という印象が強い。それにしても、600DPIでのA4昇華型出力が6万円前後で手に入ってしまうというのは驚きである。

1998.12.05.