なぜか、一年に一度、年末にはPHSの調子が悪くなる。今年もその例にもれず、11月のある日、いきなりフル充電だったはずのバッテリが空になり、勝手に電源がきれる、という現象が起きた。家に帰って充電器にセットするまでまったく起動できなかったのだが、こういうことがあると徒に不安になる。起動もできないままだと、機種更新が面倒になりそうだし、かといって、だましだましびくびくつかうのも嫌だし、本当ならPCカード一体型がでるまでまちたかったのだけれど、仕方なく機種変更。同じ日本電装のAD-31にした。パワーアステルとかいうキャンペーンの機種である。単体で、簡単なパソコン通信もどきやメイルのやりとりまでできる、といううたいもんく。メイルは、まあこんなので使うこともないだろう、というのでためしていないけれど、MOZIOのサービスはもしかするとおもしろいかもしれない。もっとも、いまのところは天気予報ぐらいしか役に立つコンテンツがないのだけれど。時事通信の速報とかが読めるようになると随分勝手が違うだろうに。
前の機種に対して改善された点はいくつもあるけれど、その多くは電話の中央部におかれた十字カーソルボタンによっている。電卓機能なんか、これのおかげで演算キーをさがす必要がなくなって使い易くなったし、着信モードのショートカットや電話帳検索、リダイヤル・着信歴へのショートカットにもなっているのがよい(ただし、着信履歴については、カーソル左でリダイヤルの1番、ここで右で着信の10番がでるのが残念。着信も1番がでてくれると文句なしだったのに)。着信パターンを組み合わせて登録できたり、電話帳に漢字がつかえたり、ハンズフリーができたり(応答のタイミングがLEDの色で示されるのも前機種からうけついでいる)、というあたりは最近の機種の基本だろう。
着信モードが多彩なので、講義・実習中とかいろいろとモードをつくって簡単にきりかえができる。本体の留守電に録音とか、モジトークに転送とか。
ただ、従来機種にもなくて不便だった部分が一点だけ改善されていない。バイブレーションモードにしてる状態で、充電器にセットすると自動的にバイブレーションが解除される機能。普段をバイブレーションにしていると、つい切り替えるのをわすれて電話にでそびれる、ということをしがちなもので、この機能はぜひともつけてほしいのだけれど。来年の買い替えのころには実現しているだろうか。
本体にPIAFSチップを内蔵しているというけれど、単体でしかつかえないのがちょっともったいない。これにPCカードアダプタをつけるとPIAFSチップが一個だぶついていることになる。将来的にはこれによって二回線同時使用の64Kができるようにするつもりだろうか。
液晶にはいつもへんな生き物がうごめいている。これの絵柄もエディタで自作できるのだけれど、どうもドット絵というのは感覚がつかめない。ポケットステーションあたりからデータをダウンロードできるとおもしろいだろうにな、とか思う。とりあえず、キャラクタでムームー星人とかにゃーことかつくった人がいたらデータをわけてもらえないかな、とか他力本願だったり。
電話、時計、アラーム、タイマー、電卓、あたりではこの程度のサイズ、液晶で十分。加えて、最低限のメイル交換なんかができる、ということは、もうちょっとでほぼ完結するPDAになりそうな匂いを感じる。コンピューターへのデータ転送の便からも、PCカードには対応してほしいな、とはおもうけれど。
1998.11.30