インターネットの歯科麻酔における        臨床利用について  埼玉県社会福祉事業団そうか光生園1)・  千葉県開業2)・静岡県開業3)  ◯加藤仁資1)・古屋 浩2)・望月 亮3)  目的:  インターネットは医学関係者にも広く普及するようになり、日本麻酔学会等で  もその利用についての発表がされている。歯科麻酔医による利用も少なくない  と思われるが、積極的な活用については学会報告はない。今回、我々は、メー  リングリスト(ml)の運用と、ホームページによる情報提供を開始したので  報告する。  方法:  mlは、登録者の電子メールを登録者全員に自動的に送付することにより、グ  ループ内の情報交換を行うサーバーシステムである。インターネット接続サー  ビス会社(プロバイダー)との契約により「臨床歯科麻酔メーリングリスト  (cdaーml)」として本年1月末より運営を始め、現時点(5月末)まで  の登録者が31名、投稿されたメールは500通近くに及んだので、これらに  ついて検討を行った。  結果:  登録者は、開業医が半数を占め、平均年齢は約37歳、住所は北海道から鹿児  島県までと広い範囲に及んだ。また、出身大学は14を数え、開かれたネット  を構成している。メール内容は、鎮静法、感染症と抗生剤、在宅医療、障害者  歯科等、多彩な内容に及んでいるが、特に救急蘇生を要した症例報告が何例か  出され、活発な議論がなされた。その内容についてはWWW上にホームページを開  き、一般歯科医にも情報を提供している。また、医療訴訟、乳児突然死症候  群、摂食嚥下障害等についても話題が提供され、この分野についての歯科麻酔  医の関心がうかがえた。さらに、ホームページ(http://www.age.ne.jp/x/  jin-k/cda-home.html)に「臨床歯科麻酔メーリングリスト」の概略を公開する  とともに、参加申込が可能な設定を行った。  考察:  インターネットは医学関係者に不可欠なメディアとなっているが、特に大学外  の歯科麻酔医にとっては情報の取得に非常に有効な手段である。今後も広く参  加者を募り(mailto: cda@mb.infoweb.or.jp)、より有意義なネットを育てて  いきたい。  文献: 内田 整,他:日本臨床麻酔学会誌, 16 (8), S144, 1996. 森本康裕,他:Journal of Anesthesia 11 Supplement, 510, 1997.