歯科麻酔学会認定医と開業歯科臨床の並存についてのアンケート (5月31日現在)
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1.先生が、歯科麻酔学会認定医を取得された動機は何でしょうか?  (複数回答可)

  1.全身管理を習得したことを形として残したかったから [52人 84%]
  2.他の先生方が認定医をとるので、自分もとりたいと思ったから  [ 6人 10%]
  3.認定医があった方が開業に有利だと思ったから [10人 16%]
  4.大学の医局では、認定医でないと一人前と見なされなかったから [10人 16%]
  5.その他                           [11人 18%]
    (主任教授の命令、学会の時に扱いが違う、出張病院の関係 など)

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2.先生は歯科麻酔学会認定医を標榜していますか?
  1.している     a.院内に認定証を掲示している [18人 29%]
   (27人 44%)    b.院内に認定医であることを掲示している [ 5人  8%]
            c.看板・広告などに掲示している [ 1人 2%]
            d.その他(名刺に印刷、院長室に掲示 など)[ 3人  5%]

  2.していない (36人 58%)
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3.先生の診療所の患者のうち、いわゆるHigh Risk患者の占める割合は、一般の歯科医院に比べて多いと思われますか
  1.著しく多いと思う [ 4人  7%]
  2.やや多いと思う [23人 37%]
  3.それほど多いとは思わない。(一般の歯科医院と同じ) [33人 53%]
  4.少ないと思う [ 2人  3%]
(4.と答えた2人 : 1人は東京都心開業、もう1人は「重症のHigh Risk患者」)

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4.High Risk患者の治療に際して、何か特別な方法を用いていますか?  (複数回答可)

  0.特別なことは何もしない。(普通の患者と同様に治療している) [ 3人 5%]
  1.問診に時間をかけるようにしている [56人 90%]
  2.常用薬を調べ、全身状態把握の一助にする [55人 89%]
  3.主治医に現在の状態を問い合わせる(治療に対する意見を聞く) [56人 90%]
  4.特別に治療する時間・曜日を設定する             [16人 26%]
  5.モニタリング下に治療する                  [42人 68%]
  6.笑気吸入鎮静法を用いる                   [35人 57%]
  7.静脈内鎮静法を用いる                    [19人 31%]
  8.全身麻酔を用いる                      [ 3人  5%]
  9.治療に東洋医学を応用する [ 4人  7%]
  10.その他 (YAGレーザー、院内の雰囲気、大学病院へ紹介など) [ 4人  7%]

  ※5.とお答えになった先生へ。どのようなモニターを使用されていますか?
 血圧計42人(68%),心電図25人(40%),パルスオキシメーター16人(26%),フィナプレス 0,カプノグラム 0 
    その他 (日本コーリンCBM-300 1人              )

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5.認定医であることが、歯科医院運営上、どのような影響を与えていると思われますか
  (複数回答可−各項目内、および全体とも−)
  1.好影響を与えている [50人 81%]
   a.「他院では診てもらえなかったがここでは丁寧に診てくれた」と感謝される [38人 42%]
   b.「局所麻酔が上手で、痛くない治療が受けられる」と喜ばれる [19人 21%]
   c.特別な患者管理方法を用いることにより、それが宣伝となって患者数が増大する [10人 11%]
   d.特別な患者管理方法を用いることにより収益の増加につながる [ 2人  2%]
   e.他の歯科医に出来ないことが出来るので、患者に尊敬される [13人 14%]
f.その他

  2.特に影響があると思わない [34人 55%]
   a.特別なことはしていない [ 9人 20%]
   b.患者が認定医の意味を理解してくれない [14人 31%]
   c.認定医という資格はあまり重要と思わない [10人 22%]
   d.その他

  3.好ましくない影響を与えている [22人 36%]
  a.老人やHigh Risk患者が増え、治療に時間がかかり、神経も余分に使う [12人 24%]
  b.問診、説明などに時間がかかり、治療できる患者数・収益が減少する [11人 22%]
  c.購入した高価なモニターに見合う収益が上がらない [20人 39%]
  d.全身管理指導、講演など、歯科医師会での雑用が増える [ 6人 12%]
  e.その他

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6.先生が在住する県・郡市の歯科医師会に所属していますか?

      1.所属している [57人 92%]         2.所属していない [5人 8%]

  ※1.とお答えになった先生へ

 ○歯科医師会が企画した、特殊歯科事業(障害者歯科、寝たきり老人訪問診療など)に参加したことがありますか?

  a.認定医ということで積極的に参加した [20人 32%]
  b.認定医ということは前面に出さず参加した [25人 40%]
  c.義務なので仕方なく参加した [ 4人  7%]
  d.関心・興味がないので(自院の経営にマイナスとなるので)参加しなかった  [0]
 e.その他 (うち、参加希望はあるがお呼びがかからない : 7人)

 ○歯科麻酔科専門医ということで、先生が所属する県・郡市歯科医師会で、全身管理や救急蘇生などの研修について、指導・講演などをなさったことがありますか?  

  a.ある [30人 48%] ※a.とお答えになった先生へ どのような形でしたか?

     イ.スタディグループ、歯科医師会の学術部会などで講演した [21人 34%]
     ロ.歯科医師会の企画する事業で全身管理を指導・教育した [10人 16%]
     ハ.歯科医師会の学術部などに属している(属したことがある) [14人 23%] 
     ニ.その他

  b.ない [27人 44%]

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7.歯科麻酔学会認定医の今後の展望を、どのようにお考えですか?
8.「認定医と開業歯科臨床」について、この他にご意見があれば、ぜひお聞かせ下さい。

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[今後の展望]

 ・今後は各方面から認定医に全身管理の社会的要請が高まるであろう (奈良)(宮崎)(北海道)(東京)
 ・認定医の数が増えるにつけ地位が相対的に低下するであろう    (高知)
 ・医科の麻酔科医と同格の地位が欲しい             (神奈川)
 ・口腔外科学会程度になればよい                 (東京)
 ・歯科麻酔に対する社会的関心の啓蒙役を担うべきである      (山形)(和歌山)(千葉)
   (ペインクリニック部門で一般歯科医の啓蒙役になればよい)  (広島)
 ・自己の勉強・教養のため、自院での安全な治療のためには有用  (神奈川)(宮城)(奈良)(福岡)
 ・特殊歯科などにおける立場の行政面での環境作りが必要      (沖縄)
 ・特殊歯科診療に認定医が積極的に参加する必要がある       (福島)(千葉)
 ・各種鎮静法を認定医が率先して自院で用いるべきである      (和歌山)

[現状への不満・改善の希望]

 ・採算面では、開業医には歯科麻酔認定医はあまり役に立たない   (奈良)(岐阜)(山梨)
                                 (滋賀)
                                 (福岡)
                                 (岩手)
                                 (千葉)
                                 (山口)
                                 (東京)
 ・開業歯科臨床と認定医の存在基盤は相容れない        (宮崎)
  (開業医では麻酔科医が術者を兼ねるので)           (福岡)
                                 (島根)
                                (神奈川)
                                 (東京)
 ・開業医は認定医の存在すら知らず、全身管理の重要性にも無理解  (東京)
                                 (宮崎)
                                 (大分)
 ・認定医が活躍できる「場」をどのように育てていくかが重要    (岩手)
 ・開業医の認定医について、学会がもっとPRに努めるべき    (大阪)
                                 (宮崎)
                                 (滋賀)
 ・学会は、開業認定医と大学・病院勤務認定医との違いを認識すべき (高知)
                                 (東京)
                                 (神奈川)
                                 (岐阜)
                                 (富山)
 ・学会に開業している認定医の意見が反映されていない       (神奈川)
                                 (高知)
 ・現在の社会的認知では自己満足にしかなりえない        (大阪)
 ・法的に標榜制度を確立して欲しい                (沖縄)
                                 (宮城)
                                 (福岡)
                                 (大阪)
                                 (青森)
                                 (滋賀)
                                 (奈良)
 ・認定医であれば、鎮静法などの報酬が高くなればよい      (奈良)
                                 (奈良)
                                 (静岡)
 ・現行の大学主導体制では開業医の意見が反映されにくくなる    (広島)
                                 (滋賀)
 ・県内に認定医が少なく、さまざまな点で障害となっている     (富山)
                                 (静岡)
                                 (大分)
[資格更新について]
・更新制で新たに勉強できるいい機会である            (山梨)
・更新は開業医にとって一方的に条件が厳しすぎる         (富山)
・リフレッシャーコースは徒にレベルを高くしないで基本の復習にすべきである  (福島)
                                 (東京)
 ・手技技術を維持するための研修施設の確保が必要         (東京)
                                 (東京)
                                 (東京)
[体制]
 ・歯科医師会・行政の事業の中核に認定医が位置すべきである    (神戸)
 ・High Risk患者は、地域の病院歯科と連携をとって診療すべきである (神戸)
                          (埼玉)
                                 (静岡)
 ・認定医を中心として、歯科救急体制の確立を計れないか      (秋田)
                                 (香川)
・認定医は高次医療機関と患者との橋渡しになるべきである     (静岡)
                                 (埼玉)
[その他]
 ・現在の認定医程度のことは全ての歯科医が修得しているべきである (島根)
                                 (東京)
                                (神奈川)
 ・認定医が開業しても歯科医の域を脱している訳ではない      (島根)