2002年映画ベスト5


 2002年も、沢山の映画が公開されました。
 その中で、私が観た作品の数は少ないんですが、それでも映画サイトらしく、「この映画が良かった!」という作品をまとめておきたいと思います。

 このコーナーで取り上げる作品の定義は「2002年中に劇場で公開されていた映画」。2002年中に劇場で上映されたことのある作品であれば、封切りが2001年中であろうと、劇場鑑賞でなくビデオ、DVD等で鑑賞した作品であろうと対象とすることにします。というか、そうでもしないと観た本数が劇的に少なくなってしまうので……田舎住まいだと、公開される映画の本数にも恵まれないのですよ。ホームシアターなんてものに走ってしまったのもそのせいなのですがね。

 さて。
 では、まずは対象作品をリストアップします。

 1月に観た対象作品は、「とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」の2本。

 2月は「ラットレース」「ジェヴォーダンの獣」「オーシャンズ11」「ロード・オブ・ザ・リング」の4本。

 3月は……あれ? 対象作品は観てないや……。

 4月「ブラックホーク・ダウン」「ビューティフル・マインド」「アザーズ」「モンスターズ・インク」「E.T.20周年特別版」の5本。

 5月は「スパイダーマン」「ムーラン・ルージュ」「コラテラル・ダメージ」「パニック・ルーム」「少林サッカー」の5本。

 6月は「サウンド・オブ・サイレンス」「突入せよ!『あさま山荘』事件」「ザ・ワン」「アイ・アム・サム」「ブレイド2」「ワンス・アンド・フォーエバー」「修羅雪姫」「玩具修理者」の8本。

 7月「メメント」「仄暗い水の底から」「メン・イン・ブラック2」「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」「ミニパト」「ヴィドック」「クローン」の7本。

 8月は「トータル・フィアーズ」「バイオハザード」の2本。

 9月は「インソムニア」「D−TOX」「サイン」「WXIII 機動警察パトレイバー」の4本。

 10月には「ジーパーズ・クリーパーズ」「完全犯罪クラブ」「ロード・トゥ・パーディション」の3本。

 11月「たそがれ清兵衛」「ザ・リング」「es」「ALI」「WASABI」「バンディッツ」「フロム・ヘル」「マイノリティ・リポート」の8本。

 そして12月が「ジョンQ−最後の決断−」「ショウタイム」「ハリー・ポッターと秘密の部屋」「スパイキッズ」「スパイダー/コレクター2」「エネミー・ライン」の6本。

 以上、計54本となります。
 こうしてみると改めて思いますけど、私、本当に最新作はそんなに観てませんね……。

 ともかく、この中からベスト5を選んでいくことにします。

 1月から順に観ていくと、印象に残った作品は何本かありますね。
 「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」は、「真の恐怖を身にまとったゴジラ」が数十年ぶりに復活してくれた、ファンとしては印象深い作品でした。
 「オーシャンズ11」も、スター俳優達の華やかさと詐欺師達の鮮やかさが味わえた佳作ですね。
 「アザーズ」はゴシック・ホラーの風格を漂わせ、素晴らしいストーリーも味わわせてくれました。
 「E.T.20周年特別版」は……素晴らしい映画なんですけど、20年前の作品のリバイバルなので、今回は選外とさせていただきます。
 「スパイダーマン」は、孤高のヒーロー像と傑出したVFX映像の躍動感が素晴らしい作品でした。
 「ムーランルージュ」も、ロマンスを語る語り口の独特さと、卓越した映像センスが巧みに融合した、娯楽性の高い作品でしたね。
 「突入せよ!『あさま山荘』事件」は、立てこもった赤軍達との緊張感と、主演の役所さんの存在感に痺れた作品です。
 「修羅雪姫」は殺陣の見せ方のうまさと、釈由美子の熱演が印象深い作品でした。
 「マイノリティ・リポート」の映像表現と演出のスピード感にも心を奪われましたね。
 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は、前作から遙かに「映画として」まとまっていました。

 さて。
 そんなそんな雑感を抱きつつ、私が選んだベスト5は……。



次点「少林サッカー」
 いや、この作品は本当に楽しかったです。CGを無駄に駆使して(注:褒めてます)、迫力のあるバカっぷり全開のサッカーを展開してみせるその力業やお見事。最後までテンションを下げることなく、登場人物達のドラマまで盛り込んで見せたのは本当に上手いな、と思いました。
 そうそう。この作品のヒロインを演じた女優さん、最初にチャウ・シンチーに会ったときに「顔が醜くて心が綺麗な役と、顔が綺麗で心が醜い役、どっちをやりたい?」って訊かれたそうです。そんな役しか用意してなかったのか(笑)。

第5位「ロード・トゥ・パーディション」
 作品の内容も良かったんですが、それ以上に俳優達の演技とカメラアングルの巧みさ、そして作中の雰囲気に惚れ込んだ作品です。トム・ハンクス、ジュード・ロウ、ポール・ニューマンといった俳優の演技は、鳥肌が立つほど素晴らしい! 雨の中、ポール・ニューマンの背後から近づいてくるトム・ハンクスのショットなど、身震いをしながら観させてもらいました。観ていて映画ファン冥利に尽きる、本当にいい映画でした。

第4位「ビューティフル・マインド」
 この作品は、個人的に大好きなロン・ハワード監督とジェニファー・コネリーが、揃ってオスカーを受賞したということもあって嬉しさもひとしおな作品です。オスカーそのものの価値は私も疑問ですけど、それを受賞したことによって、今後仕事の幅が広がる可能性がありますからね。ファンとしては今後に期待したいところです。
 この作品は、精神を病みながらも数字に対して天才的なひらめきを見せた実在の数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いています。その病気を視覚的に見せてしまったその表現力と、病気になってしまったナッシュを描く視点の暖かさが印象に残ります。人生の苦しみと穏やかな感動を味わわせてもらいました。

第3位「たそがれ清兵衛」
 とにかく完成度の高い時代劇です。その時代の武士の生き様、風俗などが入念に調べてあり、それを手を抜かずにきっちりと描くこだわりの演出に、引き込まれてしまいました。そして、きちんと計算された脚本と、真田広之、宮沢りえといった俳優たちの素晴らしい演技も完璧。そしてそれを、ダイナミックなカメラワークで見せきった演出の力など、総合的に高い完成度を誇っていました。近年の日本映画の中では傑出した出来映えだと思います。

第2位「アイ・アム・サム」
 全編をビートルズ・ナンバーのカバーで彩った本作は、ショーン・ペン演じる知的障害を持った父親と愛娘の物語ですが、個人的にはミシェル・ファイファーの女弁護士が一番気に入っています。彼女が心の壁を壊し、ショーン・ペンの心の中に本気で踏み込んだときから、本当の物語が始まっていきます。考えさせられ、泣かされた1編でした。

第1位「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」
 2002年中に公開された映画で、私が選んだナンバー1はこれでした。
 とにかく作品中を通して、1欠片の隙もなく架空の世界「中つ国」を表現して見せたその映像技術が素晴らしい。まさに「そこに存在する」かのようなミドル・アースの世界と、各種族達の違いの表現などは本当に完璧でした。そして、それぞれの魅力あるキャラクターをきっちりと演じて見せた俳優たちの力量にも目を見張るばかり。
 物語はまだまだ始まったばかりですが、第3作目「王の帰還」まで通してこのクオリティが保てれば、映画史上に残るシリーズとなり得ると思います。



 以上、私の2002年ベスト映画でした。
 まだまだ観ていない作品が多いので、この他にも「こんないい映画があったのに!」なんて作品があったら、ぜひ教えてくださいね。
 2003年も、いい映画に出会えることを楽しみにしています。

2003年 2月15日UP