番外編---子供が挑戦したNゲージのパイク


我が家の長男(当時小4)が、夏休みの自由工作に「ジオラマを作る!」と言いだしてトライしました。
ここでは、その製作過程を紹介します。

最初は短い直線レールの展示台を勧めたのですが、どうしても、楕円エンドレスの完結型レイアウトを造るんだ! というので、協力しました。

但し、約束事として、私は一切手を出さない。アドバイス(口出し)とお手本を見せるのみと決めました。
そして、どうしても力が必要な作業のみ、私が手を貸すと言うことで本人は同意しました。
サイズは一人で学校へ持って行けるように450mm×300mmとしました。
結果的には、相当量の口出し(声がかれるほど?(^^;))をしましたが、まあまあの仕上がりのものができたと思います。


我が家の長男は、特別手先が器用とか、集中力があるとか、そういうことはありません。
でも、途中で投げ出さずに、よく頑張ったと思います。
このレベルのものなら、作業手順を守ってじっくりやれば、特にスキルを必要とせずにジオラマが作れるという、証明にもなりました。

なお、1日の作業は30分〜3時間で、平均1.5時間程度でした。


●1日目


まずは、資材調達に出かけました。行き先は、尼崎に新しくできた「TamTam」です。
板は家の倉庫に残っていた2.5mmのラワン合板。
偶然にもほぼ450mm×300mmです。
道床付レールを貼っただけでは・・・ということで、250円ほどのフレキシブルレール(KATO)を2本買ってきました。






その日の内にフレキシブルレールを曲げて板に接着。
線路配置前に、鉛筆で線路配置のセンターラインを描いています。
Rは140〜145mmです。
接着の借り止めには釘を使いましたが、乾燥後抜いています。
接着にはボンドG17を用いました。
乾燥が速く、借り止めの釘は不要だったようです。




●2日目


2.5mmの合板だけでは強度不足なので、角材を日の字型に取り付けました。
木工ボンドのみによる接着です。
本来は、レール配置前に行う作業です。






レールの切断はニッパを用いたので、子供の力ではどうしても切れません。
ここは、文字通り力を貸して、私が切断をしました。
切れないニッパなので、大人でも結構力がいりました。
フィーダー線は、ジョイントへはんだ付けが必要です。
リードの被覆はく離〜はんだ付けは、口出しのみです。






はんだ付けは、事前に細かな説明をして、イメージトレーニングを実施。
本人にとっては初めてのはんだ付けでしたが、思いの外うまく行き満足していました。
この後、ピンバイスで板に穴開けして、フィーダー線を通しました。




●3日目


バラスト撒きを行いました。
やや粒のサイズは大きくなりますが、作業性を考慮してTomixのものを使用。
Tomixのバラストは、粉をふかないので前処理などは一切無しです。





こんなに雑です。
小学生の作業ですが、これでも十分です。







木工ボンド水(3〜4倍に希釈し、洗剤を少量加えたもの)を滴下後の写真です。
余分なバラストは、固着後掃除機で吸い取りますのであまり気にしません。




●4日目


ご近所のスーパーマーケットで頂いてきた発布スチロール箱をバラして山を形成。
発泡スチロールのトロ箱から、板を切り出す作業は力が要ったので、ここでも力を貸しました。
写真のように山の形に切断する作業は、本人によるものです。
木工ボンドで、とりあえず、接着。
トンネルポータルは既製品を購入して、発泡スチロールにボンドGクリアを用いて接着。
(ボンドGクリアは発泡スチロールを溶かしますが、少量にすれば何とか接着できます)

毎度のことですが、ここに車両を走らせると考えても、ウンザリするくらい殺風景です。



●5日目


地面の塗装です。
水性アクリル塗料を用い、色は、「フラットアース」と「バフ」を混ぜたものです。
地面の基本「ミルクコーヒー色」にして適当に塗ります。
なお、本レイアウト使用した水性アクリル塗料は、「フラットアース」、「バフ」、「ミディアムグレー」の3色のみです。






発泡スチロールをカッターナイフで削って、大まかに成形。






水を加えて柔らかくした紙粘土に木工ボンドを混ぜたものを使って、山の形を整えていきます。




●6日目


紙粘土が固まった後、全体を塗装。
レールとバラストも、この時点で「フラットアース」色に塗ってしまいます。






塗装はすぐに乾くので、おがくず状のパウダーや、コースターフを撒いていきます。
固着は、洗剤入りの木工ボンド水を使います。






こんな感じで、木工ボンド水ははじきますが、しばらくすると馴染みます。
ダメなときは、筆を使って馴染ませます。
こういう作業は几帳面にやってはいけません。




●7日目


農家は、トミーテック、ジオラマコレクションの製品をそのまま組み立てて使用。
取付は接着で行いますが、所々、必要に応じて穴を空けて強度を持たせます。




●8日目


割り箸を使って駅のプラットホームを製作しているところです。
ホームの幅は、割り箸2本分のみ。
この上面に、1mmのバルサを貼っただけの簡単ホームです。




●9日目


樹木は、いつものとおり、マメツゲの枝にフォーリッジクラスターをつけたものです。
マメツゲの枝は、子供と一緒に近所の道ばたへ拾いに行きました。
季節が夏なので、2人とも蚊に刺されてよわりました。
フォーリッジクラスターの接着は、ボンドG17を使用しました。
20本程度製作しました。






樹木を植えて、駅のホームを配置し、徐々にレイアウトの格好ができてきました。




●10日目


岩の表現のために、水性アクリル塗料のミディアムグレーを薄く溶いたもので着色をします。
農家、トンネルポータル等のウェザリングも同じ方法で行います。




●11日目


仕上げの段階に近づいてきました。

・駅のホームに小さな階段をつけて、塗装
・フォーリッジクラスターの、灌木をあちらこちらに配置
・踏切部分の渡り板を配置
・農家の裏に畑(段ボール紙)を配置して、農作業をする人を配置
・ジオコレの車を白に塗って配置
・トンネルの裏側に、黒画用紙のカバーを貼り付け

 などを行いました。



●12日目


看板を製作。

1mm厚さのバルサを使用して、柱も、バルサから切り出しました。
広告は、パソコンで作ったものをプリンタで印刷しただけのものです。







できあがった看板は道ばたに木工ボンドで接着しました。
バルサ材は、本人が怠けてしまって、未塗装です。




●13日目


駅のホームがさみしいので、ジオコレのフィギュアを2体配置しました。
ちょっとのことで、雰囲気がでます。

右に少し見えるのは、KATOのDE10です。
ちなみにTomixも、KATOも、共にDE10はR140を通過できました。






これで、一旦、完成です。
Tomixの南部縦貫鉄道キハ10を置いて目線の高さで撮影。
農家の裏手を行くレールバスは、雰囲気ピッタリです。






これで、'07年の夏休みの自由工作は無事終了です。
壊さないように、学校へ持って行くという最難関のミッションも、無事にクリアしました。


*製作写真は、本人が写っているもの以外は、全て本人自身による撮影です。


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