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魚種別攻略ガイドは2016年11月末まで@Niftyつりに掲載されていた物を再掲したものです。

 

ムツ・クロムツ(スズキ目ムツ科)

   

この2種は釣り人だけでなく船宿関係者でも結構混同している事が多い。シロムツ、アカムツ(共にムツ科ではない)との対比なのかもしれないが、ムツの事をクロムツと呼んでいるケースが多い。

正確には側線有孔鱗数を数えて確認する、ムツは50〜57、クロムツは59〜70である。

ムツは水深100〜300mの深場の岩礁帯に生息する。肉食性で小魚や甲殻類を捕食する。目が大きく大きな口と鋭い歯が特徴だ。幼魚は浅い岩礁帯の藻場で成長し、次第に深場に落ちてゆくことが知られている。50cmくらいまで大きくなるが、同種のクロムツはより深い場所に住み、体色がより黒いことで区別がつく。

アタリは大変強く、竿先をガクンガクンと揺さぶる。途中までは強い引きが続くが最後は浮き袋を出してしまうので引きも弱まり浮いてしまうこともある。白身で脂があり、刺身、特に煮付けが美味しい。

ムツとクロムツはとても良く似ているがクロムツはムツよりも黒っぽい体色で大きくなる。ムツは4050cm位が最大だがクロムツは80cm10kg位まで大きくなるらしい。ムツよりも潮の流れの速い岩礁帯を好み水深も深いところに住んでいる。最初のアタリは非常に強く水深の半分くらいまでは抵抗してよく引く。次第に浮き袋が出て引きが弱くなるが水面近くで最後の力を振り絞って暴れるので取り込むまで気が抜けない。歯も鋭いのでハリス切れも心配である。脂が乗った白身は刺身でも煮ても焼いても美味しい。

 

【タックル】
狙うポイントの深さと使用するオモリの号数でタックルは決まる。150500号(鉄筋1.8kg)まで様々で、ライトタックルの深場からヘビータックルのキンメ釣りの外道狙いまでいろいろある。共通する点はクラスの差こそあれ深場タックルと言う事で、グラス無垢素材の粘りのあるワンピースタイプの竿が最適だ。

リールは6300m巻きの中型電動リールでカバーできる場合もあるが、基本はPE8号が800m巻ける深場専用の電動リールが最適だ。島周りのキンメ狙いで釣るとなるとその上のクラスの大型電動リールが必要になってくる。

 

【仕掛け】
ムツはフラッシャーサビキ(幹糸、枝ス共に78号)で狙う船宿があるが、オーソドックスな深場釣り用胴突仕掛で狙う場合が一般的だ。幹糸812号枝間1.5m、ハリス71070cmにムツバリ1617号を結ぶ。上糸は幹糸と同じサイズを1m、捨糸は681mで良い。

クロムツの場合はムツ狙いよりもワンサイズ太くしたもので、幹糸1220号枝間1.5m、ハリス101470cmにムツバリ1820号を結ぶ。上糸は幹糸と同じサイズを1m、捨糸は10141mで良い。

接続は中型の親子サルカンを使用する。

【まるかつの仕掛け】
ムツ用は幹糸8号枝間1.5m、ハリス770cmにムツバリ17号、捨糸は71m8本バリ。クロムツ用は幹糸18号枝間1.5m、ハリス1270cmにムツバリ19号、捨糸は141m8本バリ。共に中型の親子サルカンで接続し、光物は使用しない。

 

【エサ】
新鮮なサバの短冊が一番、シコイワシも食いは抜群だが曲がらないようにハリ付けしないと水中で回転してハリスがよれるので注意が必要。フラッシャーサビキの場合はエサを使用しない。

 

【釣り方】
船べりに磁石板をセットし、エサを付けたハリを並べてオモリを軽く投げて投入する。投入前に糸の絡みや障害物の確認を十分にしておくことが大切で、ベテランでも無事に投入できるとホッとするものである。

オモリが着底したら糸フケを取り最低でも底から2mはタナを切りたい。ムツやクロムツが生息するポイントは起伏の激しい岩礁帯が多く、タナを切らないでいると根掛かりが必至だからだ。また、ムツ、クロムツは底にべったり張り付いている魚ではなく、底から若干浮き気味で特に高根の頂上付近や肩の部分に群れている事が多いようだ。

かけ上がりのポイントではオモリが底を叩く都度巻上げ、逆に掛け下がりのポイントでは12分毎にタナを取り直してやると良い。アタリは極めて明確でグングングンと竿先を叩く、ここで少しリールを巻き追い食いを待つが待ちすぎると鋭い歯でハリスを切られる確率が増すので、程良い所で巻き上げに入った方が良い。

あまり低速すぎても暴れてバラシの原因になるが、高速巻上げは口切れを起こしてしまうので慎みたい。途中から浮き袋を出して抵抗が弱まる事が多いが、最後まで気を抜かずにしっかりと取り込みを行う。鋭い歯が口一杯に並んでいるので、間違っても指を口の中に入れたりしてはいけない。

ハリを外す時も十分に注意し、プライヤーなどを使用する事をお勧めする。

 

   

   

 

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