MATT CATINGUB BIG BAND コロ助大おすすめ



 このバンドはとてもモダンなアレンジと超ハイテク技術によるめちゃめちゃかっこいいビックバンドです。モダンと言っても,フリーっぽい「ピギャーボロポロピー ピラパパピヒョペー ピポッ パポッ」というようなアレンジではなく(こういうのは大の苦手です。1枚だけレイアンダーソンビックバンドレコーディングというアルバムを持っています。),正統的なアレンジです。僕はビックバンドの楽しさを凝縮したようなバンドだと思っています。
 昔高校の頃,ベイシーにはまりベイシーばかりをやっていたときに,あまりにやり過ぎて何かもっと他にモダンでかっこいいビックバンドってないのかなぁと悩んだ時期がありました。「ベイシーばっかりやっててもおもろないやん」と思いながら悶々としていました。このビックバンドの存在を知ったときはびっくりしましたねぇ。「世の中にはベイシー以外にもたくさんビックバンドってあるんだ」と思いました。


 僕の出身高校はビックバンドをやっているのですが,ほとんどベイシーしかやっていません。結構レベルも高く(僕らの時とは大違いや!)練習もやり過ぎているぐらいなので,このバンドもきっとできるのではないかなぁと思っています。私の所属するWest Winds JazzOrch.ではよく取り上げるバンドの一つです。

MY MOMMY & ME

1.BLUES & THE ABSCESSED TOOTH
2.WHEN YOU FALL IN LOVE
3.NOBODY ELSE BUT ME
4.A SALUTE TO ELVIS COSTELLO
5.STOMPIN' AT THE SAVOY
6.I GOT IT BAD (&THAT AIN'T GOOD)
7.MEDLEY-SCHOOL DAYS〜TEACH ME TONIGHT
8.BOPULARITY

CDSB-2013

 1曲目のBLUES & THE ABSCESSED TOOTHというタイトルですが,このあとのアルバムの中でMore〜,Even More〜という名前で何度か出てきます。曲は全く違う曲ですが,曲の構成(アンサンブルがあってソロがあって,もう一度アンサンブルに入って...という構成)は似ているように思います(最後のEven More〜は前2曲とは雰囲気が大分違いますが)。

HI-TECH BIG BAND

1.More Blues And The Abscessed Tooth
2.Thad-ish (*)
3.The Umpire Strikes Back (*)
4.Don't Blame Me (*)
5.Donna Lee(Introducing Lady Madona Lee)
6.Don't Be That Way (*)
7.Honeysuckle Rose
8.Back To Basicques
9.Samoana (*)
10.Indian Riffs
11.Every Breath you Take

CDSB-2025

 その名の通りまさにハイテクビックバンドアルバムです。ミュージシャンのテクニックもさることながら,なんと(*)印の曲はブラスセクションとリズムセクションをシンセサイザー(名機DX-7)で演奏されています。そう聞くと「シンセのちゃち〜演奏なんかなぁ」と思うかもしれません。まぁ聞けば分かりますが,いったいどうやって打ち込んだのかなぁと思うぐらい人間の演奏っぽいです。Lyriconという言葉が出てくるので,それを使って1トラックずつ録音したのかも知れません。DTM全盛のこの御時世でもアレだけの演奏は打ち込めないでしょう。シンセの強みでトランペットはメイナードファーガソンばりにハイノート炸裂です。生演奏もすごいですよ。

I'M GETTING CEMENT ALL OVER YOU EWE

1.I'm Getting Cement All Over You Ewe
2.Even More Blues, But My Abscessed Tooth Is Fine Now,...Thanks
3.Miss Ella
4.Dearly Beloved
5.Change Partners
6.Sciatica Stomp
7.Funny
8.Prelude 'N Blues
9.I Got Rhythm
10.Simple Pleasures
11.Donna Lieb

CDSB-111

 1曲目はトミードーシーでお馴染みのI'm Getting Sentimental Over Youのコード進行を使った激しい曲です。言われるまでこの2曲が同じコード進行だとは思いつかないでしょう。11曲目はDonna LeeのフレイズをStella By Starlightのコード進行でやっています。イメージがわきにくいかも知れません。これは,とりあえず聞いていただかなくては。
 それにしても,良くこういうアイディアが出てくるなぁと感心します。どのアルバムもそうですが,とにかく随所にいろいろなアイディアが盛り込まれていて聞いていて飽きません。
 ちなみに,このアルバムは曲と曲の間に喋り声が聞こえたり,イントロをやり直していたりとテープを回しっぱなしにして適当に全部録音しているような雰囲気です。

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