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部門別損益は、試算表作成と同じ手順で計算することができます、すなわち
1.部門別損益計算期間の仕訳を抽出する
2.上記仕訳からさらに当該部門の仕訳を抽出する
3.上記仕訳を科目別貸借別に集計する
4.集計結果を試算表ファイルに転記し、残高を計算する
5.試算表を整形して部門別損益計算書を作成する
2.の注意点
仕訳抽出ファイルからさらに仕訳を絞り込むスクリプトは「Sel12WXJ(#170)」です
このスクリプトは、貸借指定文字を省略したCodeの指定ができるので、例えば、
「Sel12WXJ("J_D",100,100)」とすれば、部門Codeが100の仕訳だけを抽出できます
抽出に当たっては、仕訳の部門Codeに注意する必要があります、例えば
20040715,1100,0,995,2000,100,880,仕訳A
20040715,5050,900,5,2000,100,120,仕訳B
_____仕訳定義は、会計日、借方科目Code、借方部門Code、借方金額、貸方科目Code、貸方部門Code、貸方金額
_____科目Codeは、1100:預金、5050:手数料、2000:売上高
_____部門Codeは、0:非該当、100:営業1課、900:全社共通・・・とすれば
部門Code100を指定すれば仕訳AとBが抽出され、部門Code900を指定すれば仕訳Bが抽出されます
この結果、営業部門では手数料が5、全社共通部門では売上高が120、意図せざる結果として計上されてしまいます
正しくは、例えば以下のようにします
20040715,1100,0,880,2000,100,880,仕訳A
20040715,1100,0,120,2000,100,120,仕訳B
20040715,5050,900,5,1100,0,5,仕訳C
したがって、「仕訳1行に対して複数の部門Codeを付けない(非該当は除く)」に注意してください
4.の注意点
科目別貸借別の集計値を試算表ファイルに転記するスクリプトは「Pst1WSumDC2ZTB(#157)」ですが、これを既存の試算表ファイルに対して実行すると、上書き処理され正しい結果が得られません
例えば、既存の試算表ファイルの保険料が480であって、科目別貸借別の集計値に保険料が含まれていない場合、保険料480は従前のまま残ってしまいます
転記前に、「MkF1YA2ZTB(#151)」スクリプトを実行して試算表ファイルを初期化しておく必要があります
したがって、「部門別計算では集計値の転記前に試算表ファイルを初期化する」に注意してください
5.の注意点
部門Codeの設定方法と計算手順により、利用できる試算表の範囲が異なってきます
会計単位別の会計を行う場合は貸借対照表科目にも部門Codeを付けることになりますが、損益だけを部門別に計算する場合は損益科目だけに部門Codeを付し、貸借対照表科目には(対象外を意味する)部門Codeゼロを付けることになります
この場合は、試算表ファイルの損益科目の金額だけが意味を持つことになり、貸借対照表科目の金額は利用できないことになります
したがって、「部門Codeの設定方法により試算表ファイルの有効範囲が異なる」に注意してください
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