プロジェクト管理 70

プロジェクト管理を行うには、仕訳データにプロジェクトCodeをもたせ、プロジェクト管理に適した仕訳を作成する必要があります
例えば、プロジェクト管理の範囲に人件費を含める場合は、給料手当等を部門別かつプロジェクト別に分類した仕訳を作成しなければなりません、このため、仕訳数は(最大)「プロジェクト数×科目数」だけ増加することになります
なお、プロジェクト管理の成否は、会計データとリンクしているかどうかに関わっているため、プロジェクト別に発生経費を記録する、あるいは、配賦計算に必要な実数を集計する、組織・管理体制が整備され機能しているかどうかにも留意して下さい

プロジェクト管理に使用するスクリプトとして、以下のスクリプトを紹介します
1.Sum7JAmt1WXJ2ZLT
2.
Pst1ZTB2ZWS

「Sum7JAmt1WXJ2ZLT」スクリプトは、キー(タグ名)とその範囲を指定して、金額の集計を行い、その結果を集計リストファイルに書き出すスクリプトです
このスクリプトを利用すれば、プロジェクト別(個別/グループ)の金額集計が可能になります
集計リストファイルには、指定した条件の金額(例えば、4月から9月のプロジェクトCode100番の合計額)が記録されるだけなので、これを表計算ソフトウェアにインポートし、必要な演算(例えば、予算との対比計算や進捗割合)を行って整形する必要があります

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「集計リストファイル」とは
「展開一番」の帳票ファイル(ZList_hhhh)で、種々の条件で集計した金額をリスト形式で記録するテキストファイルです
「Sum7JAmt1WXJ2ZLT」で作成されるリストのフォーマットは以下の通りです
「集計年月日時間、集計対象ファイル名(FullPath)、集計キー、集計範囲、貸借別集計件数と金額、残高(絶対値)」
具体的には、例えば、以下のようになります
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Sum7JAmt1WXJ2ZLT の実行実行結果
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2022/3/20 16:44:22,
e:\a2_mpacs_US\Case_21\WXJ_2100.txt (J_P,100,199)
Dr. 3件 112409円
Cr. 2件 12367円
Bal 100042円
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2行目のカッコ内はこのスクリプトの引数の内容です、すなわち、借方プロジェクトCodeと貸方プロジェクトCodeのいずれかが 100〜199 である仕訳の金額を計算するよう指示しています、結果は続く3行に表示されています
なお、仕訳ファイルのプロジェクトのタグ名は「J_DP」「J_CP」ですが、このスクリプトでは、集計キーとして、貸借指定文字の「D」「C」を省略した指定が許されています、この場合は「貸借いずれか」という条件で貸借別に金額集計が行われます、残高は貸借差額の絶対値で表示されます
このスクリプトの使用方法は、「スクリプト」「スクリプト一覧」/「スクリプト詳解」を参照してください
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「Pst1ZTB2ZWS」スクリプトは、科目範囲を指定してワークシートファイルの指定欄に試算表ファイルの残高欄を転記するスクリプトです
このスクリプトを利用すれば、プロジェクト別の科目別発生額を集計できます
仕訳ファイルから、特定期間の特定プロジェクトにかかる仕訳を抽出し、試算表を作成し、その残高(当該期間の当該プロジェクトにかかる科目別発生額)をワークシートに転記するプロセスを繰り返すことによって、当該プロジェクトの月次発生額の推移表や、特定期間のプロジェクト別科目別発生額の一覧表を作成することができます

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「ワークシートファイル」とは
「展開一番」の帳票ファイル(ZWS_hhhh)で、科目名などと幾つかのフィールド(当初の値はゼロ)からなるテキストファイルです
MkF1YA2ZWS スクリプトで作成します、各行のフォーマットは以下の通りです
「科目Code,科目名,貸借,0,…」(ゼロの数はパラメタで指定)
具体的には、例えば、以下のようになります
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(以下、抜粋)
66100,外注費,D,0,0,0,0,0,0
66710,旅費交通費,D,0,0,0,0,0,0
66740,会議費,D,0,0,0,0,0,0
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このワークシートファイルの指定欄に試算表ファイルの指定欄の金額を複写します
プロジェクト管理帳票の内容によって、試算表ファイルの作成方法が変わります
例えば、各月のプロジェクト別発生経費一覧表を作成する場合は、最初に当該月の仕訳を抽出し、その後、プロジェクト別に仕訳を切り出し、試算表を作成します
プロジェクト別に月次の発生経費一覧表を作成する場合は、最初に当該プロジェクトの仕訳を抽出し、その後、月別に仕訳を切り出し、試算表を作成します

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プロジェクト管理に使用するスクリプトを二つ紹介しましたが、
このスクリプトだけでは、プロジェクト管理帳票を作成することはできません
他のスクリプトと組み合わせたり、複数のプロジェクトを順番に処理する(一括処理の)仕組みを考える必要があります
「ユーザスクリプト」「プロジェクト集計」では、これらの手順を紹介しています、参考にしてください

Last Update 2022/03/22