年次繰越処理 30

「展開一番」の年次繰越処理は以下の手順で行います
1最終試算表を作成する
2次年度の開始仕訳を作成する
3繰越仕訳ファイルを仕訳ファイルにする
4その他(マスタや仕訳ファイルのメンテナンス)

1.最終試算表の作成
「展開一番」では、次年度の開始仕訳を試算表から作成します
このため最終試算表(損益科目の振替は必要ありません)を作成する必要があります
会計単位別の会計を行っている場合は、会計単位別に試算表を作成します
公益法人等であれば、一般会計と特別会計の、本支店会計を行っている場合は、本店と各支店の試算表を作成します

2.次年度の開始仕訳を作成する
会計単位別の最終試算表ファイルが作成できたら、MkJ1ZTB2CGF スクリプトを実行します
このスクリプトは試算表ファイルから次年度の開始仕訳を作成します、開始仕訳は単一仕訳のため、試算表科目の相手科目(通常は「諸口」)Codeを引数として指定します(例えば、MkJ1ZTB2CGFJ(9999))
開始仕訳は、個別ファイルを置くフォルダ(プロファイルで指定)に、「CgFXJ_hhhh」ファイルとして作成されます
開始仕訳の作成ロジックは以下の通りです
1科目区分(科目マスタに登録されている)が貸借対照表以外の科目の貸借差額を計算する
2科目区分が損益振替科目である科目に上記貸借差額を加算する
3科目区分が貸借対照表である科目ごとに開始仕訳を生成する
開始仕訳生成のロジックは以下の通りです
1仕訳定義ファイルからフィールド数をカウントする
2上記カウント数と同じフィールド数を持つレコードを生成する、各フィールドの値はゼロとする
3会計日フィールドに、基本マスタの事業年度終了日をセットする
4科目フィールドに、試算表科目Codeと引数で与えられたCodeをセットする
5金額フィールドに試算表金額をセットする

次に Set7V12CGF_Tag スクリプトを実行します
このスクリプトは、繰越仕訳ファイル(CgFXJ_hhhh)の指定フィールドに指定した値をセットします
会計単位別の会計を行っている場合は、会計単位フィールドを指定して当該会計単位のCodeを指定します
このスクリプトは、「貸借指定文字の省略」が可能ですから、貸借のフィールドを同時に指定することが可能です
借方部門Codeと貸方部門Codeのタグ名は「J_DD」と「J_CD」ですが、貸借指定文字の「D」「C」を省略し、Set7V12CGF_Tag("J_D",100)とすれば、すべての繰越開始仕訳の貸借それぞれの部門Codeフィールドに100がセットされます

3.繰越仕訳ファイルを仕訳ファイルにする
繰越仕訳ファイルが作成できたら、これを仕訳ファイルにします
このためのスクリプトは二つあります
Ren1CGF2XJ スクリプトは、繰越仕訳ファイル(CgFXJ_hhhh)を仕訳ファイル(XJ_hhhh)に名称変更します、もとの仕訳ファイルはXJ_hhhh_oldとなります
Apd1CgF2XJ スクリプトは、繰越仕訳ファイルを仕訳ファイルに追加します
会計単位別の会計を行っている場合は、会計単位別に複数の繰越仕訳が作成されるため、二回目以降はこのスクリプトを適用します

4.その他
繰越仕訳ファイルを仕訳ファイルにリネームまたは追加したら、基本マスタの事業年度を当年度に変更します
基本マスタを直接編集してもかまいませんが、年次繰越処理のユーザスクリプト(これまで説明してきたスクリプトを連続して実行するスクリプト−ユーザが作成する−)を作成する場合は、最後に Cls7BusinessYear12XK スクリプトを追加しておけば、事業年度の更新も自動で行うことができます

最後に、前年度の仕訳ファイルを保存します
前年度の仕訳ファイルは「XJ_hhhh_old」になっているので、通常は、これをリネームして別のフォルダに移動します
バックアップについては、個別問題の「データのバックアップ」をご覧下さい

Last Update 2020/02/03