イタリア編4 (ナポリ周辺)

2016年、友人と二人でローマを経由して、ナポリ周辺とシチリア島の旅に出かけました。
ローマより南へは初めて行きましたが、北の地方とはまた少し違って、親しみやすい街並み、親切でフランクな人たちとの交流もあり、楽しい旅となりました。


ナポリのはずれの丘の上から街を見下ろすと、サンタルチアの岬と卵城が突き出た先にナポリ湾が広がり、その先にソレント岬が伸びて行きます。

正面に見える山が、ヴェスビオ火山

 

ナポリで宿泊していた当たりの街並み。
いかにも、僕の好きな、ソフィア・ローレンとマルチェッロ・マストロヤンニが窓から顔を出しそうな風景ですね。

プレビシート広場に面した、サンフランチェスコ・ディ・パオラ聖堂。

ローマのパンティオンに影響を受けたというドームを乗せていて、前面にサン・ピエトロ聖堂のような回廊がめぐらされている。
広場を挟んだ向かい側には王宮の建物があります。


ナポリ在住の友人に車に乗せてもらって、ナポリから東へ1時間程の所にある小さな山間の町、カステル・ヴェーテレ・スル・カローレへ行きました。

旧市街の中心には昔の領主の城が残っていて、現在は宿泊施設になっているところに我々は泊まりました。

この施設は、アルベルゴ・ディフーゾと言われるものです。アルベルゴとはイタリア語でホテルのこと、ディフーゾとは分散された、という意味だそうです。ホテルの機能をレセプション、食堂、宿泊部分など、町中に分散して、街そのものをホテルとして楽しんでもらおうという試みです。

ここでは古いお城を宿泊施設として、中庭から各部屋へ入れるようになっていました。

カステル・ヴェーテレは石畳の起伏にとんだ迷路のような道に、石作りの家の並ぶ魅力的な町でした。僕は朝早くに起きて、朝食前に町の隅から隅までカメラを構えて歩き回りました。

左側に建物が食堂になっているところで、ここで焼き立てのパンと地元産のチーズ、ハムのおいしい朝食を堪能しました。

丁度、聖母マリアのお祭りにあたり、美しく着飾った少女たちや、ブラスバンド、神輿の上の聖母マリア像など、珍しい行事を楽しむことが出来てラッキーでした。町の人にとっては、日本人が来ることが珍しいことのようで、地元のテレビ局のインタビューを受けたことが良い思い出でとなっています。


ヴェスビオ火山の噴火で、火山灰に埋もれた町ポンペイは、2000年前の生活がそのまま凍結したような不思議なところでした。石畳に馬車の車輪の轍が残っていることが、妙に生々しく感じられました。

このように住宅もきれいな形で残っています。

古代ローマの住宅の形式がどんなものであったかを知るうえで貴重なものだと思います。


ナポリ湾の南側に突き出た、ソレント半島の反対側に、アマルフィーの街があります。

その途中、車でソレント半島の付け根の峠を越えたところに、海を見渡す美しい街ラ・ベッロがあります。

アマルフィーは中世にはジェノバやピサ、ヴェネツィアと覇権を争った海洋都市でした。そのころのアラブの国との交易による影響が街のあちこちに残っています。

そそり立つような岩山の谷間にへばりつくように家々がびっしりと並ぶ、独特な景観を作っていました。

海岸から海の門をくぐると、ドウモウ前の広場に出ます。ドウモウは前面の大階段が特徴的で、アラブ風のアーチを持つ前面のロッジア、ビザンティンの影響を受けた金色のモザイクタイルが美しい。

ドウモウ広場から谷状になって伸びるメインストリート、ロレンツィオ・ダマルフィー通りは、元は川だったところを暗渠として道になっているそうです。その両側は急な斜面となっていて、住宅が斜面に沿って立ち並んでいます。

メインストリートから一歩中に入るとこのような急な階段に沿って住宅が山の上の方へ伸びて、いくつにも枝分かれする道は迷路のようで、アラブの国のメディナのよう。

アマルフィーでは、ナポリの友人の知り合いのB&Bに泊まりました。
一軒家の様に中庭から直接玄関を経て、入った室内はスキップフロアーの素敵な部屋でした。真ん中にある柱は1000年前からあるものだそうです