イタリア編2 (フィレンツェ・アッシジ・シェ−ナ)

ルネッサンスの花の都フィレンツェも又、建築に携わるものとしては忘れられない街だ。
アルベルティが、ブラマンテが、ミケランジェロが、ダビンチが、ポッティチェリが、と呪文のように唱えながら、僕は町中を歩き回った。

世界で一番美しい町を一つだけ選べといわれても答えに迷ってしまうと思うけれど、10の町を上げろと言われれば、必ずサンフランチェスコゆかりの町、アッシジを忘れることはないと思う。
小さな丘の中腹にある、この小さな町は、その全体が一つの有機的な建造物のように見える。長い年月を経て、出来上がってきた空間は、一人の建築家の想像を遙かに超えた美についての確信を持っているように思える。

学生時代から、広場というと、必ずその最良の例として上げられてきた、プラッツア・デ・カンポを見るためにシェ−ナの町へ行ってみた。そこには、人間の理性によって、政治と宗教によって、都市空間をも律してゆく、ヨーロッパのもう一つの伝統を見たような気がする。


フィレンツェで泊まっていたホテルの窓から、サンタ・マリア・デル・フィオーレのキューポラを遙かに見る。
部屋が裏に面していたので、家並みの裏側の生活がのぞけて面白かった。

サン・ロレンッオ寺院脇の広場には朝市がたっていた。世界的な観光地のフィレンツェでも、朝早くには庶民の生活が見られて面白い

サンタ マリア デル フィオーレのキューポラの上からフィレンッエの街を見下ろす。
この大聖堂の屋根裏には階段が付いていて、てっぺんまで登れるようになっている

ベッキオ宮殿の前のシニョーリア広場には、ミケランジェロのダビデ像をはじめとする、ルネッサンスの作家の彫刻のレプリカが飾られている。


丘の上から見たアッシジの町の全景。
町全体が、立体的に、複雑に絡み合って、一つの建造物のよう。

アッシジの守護聖人である、サン・フランチェスコを祭る、サン・フランチェスコ大聖堂

丘の斜面に建つ町並みは、複雑に上下に組み合わされ、人の家の庭先を通ったり、家の下をくぐり抜けて、上下の道がつながっていたりする。
 

家の下のアーチをくぐって、階段を下りて行くと、下の道につながっている。この迷路のような複雑さと、どの家も同じ色の石の壁で出来ている事が、町の一体感を生み出している。


トスカーナの丘の上の町、シェーナの中心に向かう坂道。

古都シェ―ナの中心、プラッツア・デル・カンポ(カンポ広場)。
広場は扇型の貝を形取ったもので、中心に向かって緩やかな斜面になっていて、その中心に市庁舎の建物が建っている。イタリアの広場は、政治的セレモニーの場でもあったことを思い出した。

その広場の周りに建っている、大理石の柱とその足元の丸くなった蛇を形取った鋳鉄の飾りが付いていた。

街の中心、カンポ広場のすぐ近くにシェーナの大聖堂がある。ゴシック様式の建物は、白と暗緑色の大理石による横縞模様が美しい。