イスタンブール編

2013年の9月初めに、思い立って久しぶりにヨーロッパに旅立ちました。行き先はイスタンブールとローマ。当初ローマへとだけ思っていたのですが、安いチケットを探していたらトルコ航空となり、それならばついでにイスタンブールも、という訳で図らずも東西ローマ帝国の首都を続けて訪れることとなりました。

イスタンブールは初めてでしたが、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)千年の歴史とオスマントルコ500年の歴史が折り重なった密度の高い街でした。
地図で見るとすぐわかるのだけれど、イスタンブールは、マルマラ海と黒海を結ぶボスポラス海峡によってヨーロッパ側とアジア側に分かれています。さらにヨーロッパ側に深く入り込んだ金角湾によって旧市街側と新市街側に分かれています。

僕はこの旧市街側のホテルに泊まって、旧市街をいつものように歩き回ったのだけれども、中心部は中央が小高い丘になって、三方を海に囲まれた中に歴史的な建築、旧いバザールがちりばめられた魅力的な街でした。

イスラムの国独特の街のにぎわいと、親しみやすい国民性も旅人にとっては魅力的です。

※ 2018年に再訪して、今度は前回は行かなかった新市街を中心に街歩きを楽しみました。



 

フェリーから眺める旧市街

ヨーロッパ側、旧市街からマルマラ海を隔てたアジア側へはフェリーで簡単に渡ることが出来る。
ガラタ橋のたもとから対岸のカドキョイまで20分ほど、通勤客でごった返す船内から、夕焼けの旧市街にそびえるブルーモスク、アヤソフィアのミナレット、そしてトプカピ宮殿のシルエットを眺めると、多くの旅人がこの不思議な街に心惹かれる理由が解るような気がします。

 

旧市街ガラタ橋のたもとのエミノニュ埠頭から金角湾を挟んで対岸の新市街を眺めたところ。
丘の上に見える塔は、ガラタ塔と言い、14世紀ごろからこの辺がジェノバ人の居住地区になっていて、この塔はジェノバ人の監視塔だったと言われている。

イスタンブールは陸地と海が複雑に絡み合って、何処を歩いていても突然海が見えたりするところが街の魅力の一つになっている。

 

旧市街観光の中心は何と言ってもこのブルーモスク(スルタンアフメット・ジャーミー)と公園を挟んで建つ、アヤソフィアだ。

僕はこのブルーモスクのすぐそばのホテルに泊まっていたので、滞在中は毎日その威容を眺めていた。

 

その外観の大きさと、複雑な形態の美しさに圧倒されるブルーモスクだが、内部に入ると再びその空間の大きさに圧倒される。
大小のドームから構成される空間は巨大でありながら不思議と威圧感がない。そして壁、天井を覆い尽くすタイルの精妙さに再び目を見張らされるのは僕だけではないだろう。

 

旧市街から新市街へと町の中心をトラムがひっきりなしに走っている。これはとても便利で、僕もよく利用しました。

 

旧市街の丘の上にある、素晴らしいモスク、スレイマニエ・ジャーミーの向かい側にあるロカンタ。ロカンタとは大衆食堂で、ここはイスタンブール大学に近いこともあって、学生や教授風の人が集まって日除けのテントの下で食事と会話を楽しんでいた。

僕はここで野菜と肉の煮込み料理を食べたけれど、安くて美味しくて、大満足。

 

エジプシャンバザール

イスタンブールのバザールではグランバザールが大きくて有名だけれど、あちらはいかにも観光客向けで、僕はこちらのエジプシャンバザールの方が気に入りました。規模は小さいけれど、夕方になると地元の人々の買い物客でごった返しているところが楽しい。

 

51番の看板を掲げて客引きをしている香辛料のお店。僕はここでお土産を買ったのだけれど、とても親切で感じが良かった。ただし、香辛料は種類が多くて、何が何だか良くわからない。結局トルコティーを買いました。

 

バザールの中でパンを売っている屋台。
イスタンブールのパンがおいしいのは意外な発見でした。食事の時に出てくるフランスパンも決してパリに引けを取らない味でした。

 

新市街で泊まったホテルの4階の部屋で朝、目が覚めて窓を開けると、急な坂道の先の方にボスポラス海峡が見えて、さらにその先に対岸のアジア側の山並みが見える美しい景色が目に飛込んできました。

 

新市街の中心、イステクラール大通りは夕方から大勢の人々が繰り出して、夜も更けるまで大変な賑わいでした。
ショッピングを楽しむ人、食事をする人、大道芸の音楽を楽しむ人たちで、歩いているだけで楽しい街でした。