炎の大捜査線2



 「炎」も「捜査」もほとんど出てこない陰気な刑務所映画である。レンタルビデオ屋では「金城武」とゆうカテゴリに分類されているのだが、これを観た金城ファンは面白かったのだろうか?
原題は「火焼島之横行覇王」である。
だまされて刑務所入りすることになった刑事(金城)は、だまされて逃げようとして乱闘になり、刑務所入りすることになったボクサー(ニッキー・ウー、男前)その他アル中でシャバでは居所がないという男、妻が弁護士と駆け落ちしたため自殺しようとする男、そして刑務所をシメてる麻薬組織のボス、そして実は麻薬組織を資金源としている刑務所長(アンソニー・ウォン)らと憎みあったり、友達になったり、ケンカしたり、利用されたりした挙げ句脱獄する、というストーリー。
金城は麻薬組織のボスにその気性を気に入られるのだが、刑事とヤクザでは住んでいる世界が違うからといって、ボスからの好意(食事やタバコ、女まで)を受け取ろうとしない。アル中の男は酒のためであったら人を傷つけもするしまた、ボスのいいなりになることでみんなが自分を大事にしてくれることが嬉しくてしょうがない。出所したあと行方不明になっていた妹と再会するが、妹の夫から疎まれていることを知り、やはり行き所がないと感じて自殺する。ニッキー・ウーはほとんど自分のことを語ろうとしないが、妻子に逢いたさに妻を弁護士に寝取られた男と脱獄を計画、失敗して足の腱を切られる。所長は所長で、麻薬組織撲滅のためにヤクザたちの仲間となってスパイをしてほしい、引き受けなければ刑期を伸ばすと脅す。
最後はヤクザのボスと金城(リンチに遭って既知外のフリをしている、放尿シーン多数あり)、ニッキー・ウーの3人が脱獄に成功するのだが、その3人(特に金城とボス)が一体どのタイミングで仲間になったのか、世の中正しいものなんかないという嫌気から金城が心変わりする瞬間が全く描かれていないためにものすごく唐突な展開に感じる。いろんなエピソードを重ねることで、金城の信念が変わったということを読み取れなくはないが、それでも自身の信念を貫くという選択肢もあるわけで、不親切な気がした。
おまけに刑務所から脱獄するシーンはあるのだが、肝心の「刑務所のある島からどうやって逃げたか」が省かれているため、ものすごく後味が悪い。
ま、金城武とニッキー・ウーを持ってきたというだけできっと女の子連中には受けたんでしょうな。

余談だが、ニッキー・ウーを搾取してるおっさんが「レジェンド・オブ・フラッシュファイター」および「新・少林寺伝説」でスケベオヤジをやってたおっさんだったことと、ニッキー・ウーとは似ても似つかない息子が「新・少林寺伝説」に出てたおでぶちゃん(さらに太ってる)だったのが個人的におかしかったです。
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