欧州原子核研究機構

CERN

Esplanade des Particules 1, P.O. Box 1211, Geneva 23, Switzerland

https://home.cern/

CERNでは素粒子物理学研究のためスイスとフランスにまたがる直径約9km、周長約27kmの
世界最大の大型ハドロン衝突型加速器LHC(Large Hadron Collider)をつくり4個所の衝突点で
高エネルギーの陽子と陽子を衝突させて素粒子の研究をしています
衝突点の検出器はそれぞれ得意分野があって、その中の2つが素粒子物理学の「標準モデル」の
最後のピースと言われていた「ヒッグス粒子」を検出することに成功しました

ジュネーブ

CERNは2023年にジュネーブ近郊に一般向け広報施設 CERN Science Gateway をオープンしました。
多くの博物館同様、月曜日を除く毎日見学することができます。
市内を縦横に走る路面電車

スイス国鉄ジュネーブ駅の近くから18番の電車に乗ります。
終点

約25分で終点に着きます。
200m先はフランスです。
電車の終点がCERNです。

CERN Science Gateway

電車を降りると駅の両側に CERN Science Gateway の建物があります。
写真提供 CERNアトラス実験グループ
全景

LHC加速器はジュネーブ空港の北側、地下100mのトンネルの中に設置されています。
円周に沿って衝突点の検出器建屋、トンネルへのアクセス建屋が配置されています。
トンネルは以前、電子-陽電子の衝突実験LEPに使われていたものを利用してLHCが設置されました。

モニュメント

物理学の発見を刻んだモニュメントです。
モニュメント先端

標準モデルの18種類の素粒子が刻まれ、一番下にヒッグス粒子があります。
加速器電磁石ユニットの模型
直径約60cmの原寸大模型が屋外展示されています。
世界最初のWEBサーバ

現在では誰もが日常普通に使っているWEBサーバは、世界中の研究者が測定データに自由にアクセス出来るようにCERNで開発されました。
高周波加速空洞

最初に出迎えてくれるのが2018年まで40年間使用された線形加速器の加速空洞です。
中央の小さな穴を通って水素の原子核の陽子が光の約1/3の速度まで加速されます。
陽子はその後3段階の円形加速器を経て速度を上げ、最終的にLHCで光の99.9999991%の速度(7TeV)でほぼ正面衝突します。







様々な検出器

検出器を組み合わせて陽子の衝突で発生した様々の素粒子を分析し、衝突で何が起きているかを解析します。
超伝導電磁石カットモデル

日本のKEKのsuperBでは電子、陽電子を衝突させるので普通の電磁石を使っていますが、LHCでは電子の約1800倍の質量を持つ陽子を扱うので強力な磁場が必要なため超伝導磁石を使用しています。
電磁石の超伝導状態を保持するために液体ヘリウムに浸して-271℃に冷却します。
四極電磁石カットモデル

左右2本の真空パイプの中を陽子のかたまりが約7m間隔で光に近い速度で反対方向に走ります。
衝突効率を上げるために陽子の密度を上げる必要がありますが陽子同士が同じ電荷を持つために反発しあい外に広がろうとします。
これを抑え込んで細いビームにするための電磁石です。
製作にはKEKをはじめとする多数の日本の研究機関と日本企業が参加しています。
双極電磁石ユニットカットモデル

陽子のビームを円周方向に曲げるための電磁石です。
これらの多数の電磁石と加速空洞が27kmにわたって設置されています。
ATLAS検出器建屋

外に出ると4つの検出器の一つ、ATLASの建屋が見えます。
壁面には検出器の断面図が描かれています。
検出器はこの建屋の地下100mに設置されています。
ATLASはCMSとともにヒッグス粒子を発見した検出器です。