ひとつめのゴミ 48 letters


なのになぁ・・・


みんなもそうだと思うけど、僕もだん、いくつかの呼ばれ方をする。

僕の場合は下の名前、旧姓、入籍後の姓、ハンドル、、、、、

そしてよくわからないのが、一部の友達から呼ばれる「げんさん」だ。

以前のバイト先で知り合た女のいつからか

なにを思ったか「げんさん」と呼ぶようになり

その子を通じて知り合えた友達、みんな僕を「げんさん」と呼ぶ。

よりによって「げんさん」だ。なんともじじくさい。

「げん」ならまだいい。「げんちゃん」「げんくん」でもまだ許そう。

どうせ名前と関係ないのなら「ぽんちゃん」でも「みふね」でも

「ひゅるひゅるてろん」でもなでもいいじゃないか。

違う違う。なんでもよくないのだった。

「ひゅるひゅるてろん」じゃまずいだろう。いくらなんでも。

しかし「げんさん」だってうかと思う。

「げん」という名前は「さん」が付いた途端に、

そのイメージが

1.大工の源さん(パチンコの台)のキャラクター、

2.白髪スポーツ刈り90歳だがとても元気なおじいさん、

のどちらかに限定されてしまうのだ。

べし「げん」と「さん」の結合の威力。

当時20歳だった僕は、当然その呼ばれ方を気に入るわけがなく、

「げんさん」と呼ばれても返事をしないこと

ささやかな抵抗を試みた。

が、彼女はおかまいなしに「げんさん」と呼び続け、

あれから数年、僕はっかり「げんさん」が板に付いた。

彼女が僕を「げんさん」と呼ぶ理由は

「う〜ん、なんかなぁ、げんさんって感じがぴったりだから」。

って感じ、って、やっぱり僕はじじくさいか。

それとも大工の方なのか。

まったくなにがどうなんだか。

恐るべし、しーちゃん。恐るべし「〜って感じ」。


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