このギャラリーは、今年2月末にオープンしたばかりですが、今度2度目の展示替をして、第3回展を開きました。
始めて訪れて下さった方もいらっしゃるかもしれませんので、一言だけ、趣旨めいたことを申します。「絵一枚、詩一編のとても小さな私的なギャラリー」で、その他のものは何もありません。
なぜか季節に合わせたいという気持ちになってしまい(出来心?)、それで、ちょっと人前に出せないようなお粗末な詩が出てきてしまって、謙遜でなく赤面します。そのうえ、もう梅雨で、季節の方もあやしくなりました。すいません。
この前も申しましたので、繰り返しになりますが、第1回展にちょっと気取った挨拶を書きましたので、気が向いたら、覗いてみてください。 (平成10年6月7日)

さ つ き
(藤川 久代 /
昭和60年5月)
五 月 の 宵 の 戯 唄
| 今年始めてのスカッとしたYシャツ姿で、サンダルを素足に突っかけて、五月の宵の街路 |
| をのんびりと行く。(ちょいとパチンコをやって、これから宿直に帰るのさ。) |
| 盛り場を少しはずれると、すぐに裁判所やら県庁やらのま新しい官庁街。ここらに来れば |
| しろじろ広く、頭上には、高い石の建物のいろんな幾何学線の交錯する、初夏の宵空。花 ・ |
| 果汁の明るい blue が、しゃれた、浮かれた唄を上機嫌にうたっているよ。 |
| がらんとしている。たまに若いのが二人、三人、薄暗がりをひそひそやって来る。ちょっ |
| とした身じろぎもくっきり目に映り、とりとめないやりとりの一言、二言もはっきり聞こえるの |
| がおもしろい。これから遊びに行こうという、ご機嫌な若い連中さ。 |
| テトロンのシャツ越しに、素足に、冷たい夜気が触れ、緑色の街路樹のハッパが、やさ |
| しげな風情でこまかく震えていて、ぽつんとある仏具屋の黄色い灯りが、ぼやっと薄い闇 |
| に滲んでいる。なんだか知らないが、楽しいなあ。 |
| 一足ごとに、健康と閑暇の高級洋酒並みの愉快が、まるで漣だ、サラサラ揺れるよ。 |
(藤川 昶 / 昭和39年5月)