放送禁止事件 僕が通っていた小学校では各クラスが順番に校内放送でクラス紹介を行っていた。校内放送といってもカセットテープに録音した内容をスピーカーから流すだけ簡単なものだった。普通の日は「お話出てこい」とかを給食時間に流すのだが、週に一度はクラス紹介が流されていた。クラス紹介といっても合唱するクラスもあれば全員が自己紹介をするだけのクラスもあった。3年生の時に僕のクラスの順番になり話し合った結果、全員が自己紹介することになった。それで放送予定の一週間ほど前の日に音楽室で録音が行われた。事前に先生から自己紹介の内容を考えておくように言われていたが、僕は何て言おうか迷っていた。当日になって自分の名前とあだ名を言うことに決めた。音楽の先生の「それでは録音を始めます。」という合図とともに、全員が順番通りに一人ずつ自己紹介をしていった。僕の順番になったので、少し緊張しながらも大きな声で「僕は○○○○です。あだ名はチンポせせぐりと鼻くそふりかけです。」と言った。クラスメートの数人がクスクス笑う声が聞こえた。僕は「おっ!受けたな。」と喜んだ。実は本当のあだ名は名字に「ちゃんづけ」しただけだったが、それでは面白くも何ともないので、一度、人から冗談で言われただけのことをあだ名という事にしたのである。ちなみに「せせぐり」とは方言で触る事の意味である。やがて全員の自己紹介が終わり先生はカセットテープを持って去っていった。その日の放課後、僕は担任の先生に居残りを命ぜられた。「何かやったけな?」と考えていると先生がやってきて「何であんな下品な事言うの?あなたは何を考えてるの?」と自己紹介の内容について怒られてしまった。「だって、ああ言ったほうがみんなが喜ぶと思って・・・」と言おうか迷ったが、どうせまた怒られると思い「すいませんでした。」と謝った。数日後、いよいよ僕らのクラス紹介が放送されることとなった。給食を食べながら皆、放送に耳を傾けていた。次々にクラスメートの自己紹介が進んでいき、いよいよ僕の番となった。「僕は○○○○です。・・・・・・・・・・・・。」あだ名について話した部分がそっくりカットされているではないか。僕は何でカットするんだろうと思った。さすがにチンポはカットされるかなと思っていたが、「鼻くそふりかけくらいはいいじゃないか。」と僕は思った。いまになって考えればとんでもお馬鹿さんである。なんという恥知らずなガキだったのだろう。結局、同じクラスの中で内容が不適切とカットされたのは僕だけであった。