すけべ万歳! 僕は小学校1年生の頃、「H人間1号」と呼ばれていた。その頃の僕は、ほうきを武器に、次から次へと女の子のスカートをめくってまわったり、図工の時間に粘土で裸婦像を作ったり、自習時間に教壇にのぼりクラスのみんなの前で半ズボンのおしりの部分をまくって「おすもうさん」ダンスを踊るなどの破廉恥行為を行っていた。いま考えると恥ずかしいことをしていたものである。そんな僕は毎日の反省会の主役であった。必ず誰かが、僕の行いを先生に訴えるため、ほとんど毎日怒られていた。たくさんのお説教されたことと、数知れないほどぶたれたのを覚えている。それでも懲りずに、翌日はまた何かしでかすのだから、我ながら始末におえないくそガキである。従って教室での僕の席は、いつも一番前の先生の前であった。席替えの度に先生は「O君はここです。」と僕だけ席を指定した。そんな日々を送っているうちに、いつのまにかクラスのみんなから「H人間1号」と呼ばれてしまったのである。やがてそんな僕にも仲間が増えて2号、3号が誕生し、やがて勢力(精力?)をましていった。そしてそれはクラスの男子のほぼ3分の2まで拡大するに至った。その人数でスカートめくりをするものだから、男子対女子の戦いの様相を呈してきた。連日、休み時間や掃除の時間になると教室や廊下のあちこちで局地戦が展開されていた。僕が率いる本隊は、クラスの中でも可愛い女の子を攻撃目標とし、果敢にアタックしていた。しかし先生がそんな状況を許すはずはなく、数日のうちに圧倒的な力で制圧され降伏するに至った。そして戦争犯罪を糾弾する裁判がはじまり主犯の僕はこれまでにない重罰(体育の先生の往復びんたの嵐)を受けた。さすがに僕もその後2度とスカートめくりはしなくなった。そして「H人間1号」と呼ばれることもなくなっていった。 人間というものは根本的にすけべな生き物だと思う。だからこそ何万年もの間、繁栄しているのだ。僕はというと幼い頃の面影は陰を潜め、まじめなサラリーマン生活を送っている。人に迷惑をかけるようなすけべは許されないが、もうすこしすけべであっていいと思っている。男も女もみんなすけべでいいではないか。いや、すけべであるべきだと思う。みんなですけべになろう。そして大きな声で叫ぶのだ。「すけべ万歳!」セ葉がある。