さらば青春の光 「さらば青春の光」という映画をご存じだろうか。テレビで数年に一回は深夜や土曜の午後に放送されることがあるので観たことがある人もいるかと思う。タイトルからわかるように青春映画なのだが、イギリス映画らしくあまり明るい映画ではない。主人公はあまりパッしないモッズの少年である。街ではモッズとロッカーズが対立していて、何かとトラブルが起こっていた。そんな中、彼はモッズの中でスター的な青年(スティングが演じている)に憧れていた。また少年には好きな女の子がいたのだが、彼女はなかなか彼のほうを振り向いてくれなかった。しかしモッズとロッカーズの対立で警官隊を巻き込んだ大騒動が起こりその最中ついに彼は彼女と結ばれるのである。ところが騒ぎから一夜あけると彼女は違う男を選んでしまう。少年は彼女を問いつめる。「あれは一体何だったんだよ?」彼女は言う。「あれは成り行き上そうなっただけよ。たった一回だけで何いってるの?」「・・・・・・」失望した少年にさらにショックは続いた。彼が憧れていた青年が、実はただのホテルのベルボーイであることを偶然知ってしまうのである。彼は絶望する。そして愛車のスクーターで断崖から・・・。といったストーリーなのだが、映画の全編にザ・フーの音楽が流れている。「マイ・ジェネレーション」や「無法の世界」といった曲が実に効果的に使われている。とくにラストの少年が泣きながら断崖沿いの道をスクーターで走るシーンは何度見ても涙が出てくる。あぁ青春なんだなあと思う。だれでも失恋の一度や二度はしたことがあると思うが、失恋の仕方が悲惨だった場合に死にたくなったことがあるんじゃないだろうか。この映画を見るとそんな苦い思い出が浮かんでくるのだ。「ああ、あの頃は若かったな」といった気分になってしまうのである。めったにテレビではやらないので、見たい人はビデオを借りて見てもらいたいと思う。そして青春のほろ苦い思い出にしんみりと浸っていただきたい。