ギターが欲しい

 現在、僕が一番欲しいものは愛を除けばギターである。
以前はギターを持っていたのだが、度重なる引っ越しのために止むを得ず捨ててしまったのである。
まあ安物の変形ギターだったからあまり気に入ってなかったということもある。
いま欲しいのはレスポールである。あまり金がないから安物でも構わないと思っている。
自分でギターが作れれば、それにこしたことはないのだが絶対無理だろうと思う。

手作りのギターといえばブライアン・メイが有名である。
父親と一緒に自宅の木を切って作ったという彼のギターは彼にしか弾けないという。
しかも彼はピックを使わずコインでギターを弾くのだからこだわりかたが半端でない。
ブライアン・メイはフレディ・マーキュリーのエイズ死によって解散したクイーンのギタリストである。
僕が初めてクイーンを聴いたのは高校に入ったばかりだったと思う。
ラジオから流れてきた「ボヘミアン・ラプソディ」はそれまでの僕のロックの概念を変えてしまった。
それまではロックは怒りや悲しみなどの感情を表現する音楽だと思っていた。
しかし「ボヘミアン・ラプソディ」はあまりにも芸術的であった。
「こんなロックもあったのか」と改めてロック・ミュージックの奥の深さに気付かされたのである。
この曲が収録されているアルバム「オペラ座の夜」は自分の好きなアルバムベスト10に入る大好きな作品だ。
そこではロックとオペラが見事に融和し、しかもポップである。
この「ポップ」であることが非常に重要だと思う。
たしかにフレディの声はとても美しいし、ブライアンのギターは天才と呼ばずして何といおうか。
ロジャーも只者ではないし、ジョーンだって一流のベーシストだと思う。
しかしポップだからこそクイーンは世界的に成功した数少ないバンドになれたのだと思う。
いくら演奏がうまくて、声がよくても大衆に支持されるような音楽、
つまりポップでなければ、スーパースターにはなれないと思うのである。

ギターを買ったら「炎のロックン・ロール」でも練習しようかと思っている。
多分イントロのかっこいいところだけ弾けるようになれば満足してしまうと思うが。
ギターと愛を比べて、愛のほうがよいと思ってしまう自分は、絶対にうまいギター弾きにはなれないだろうな。
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