テクノロジー

 今年の春、ついにわが家にパソコンなる物がやってきた。
コンピュータ業界で働き始めて10年目にして、やっとパソコンを購入したのだ。
なぜ、これまでパソコン持っていなかったのか、というと二つの理由があった。
一つは高くて買えないという経済的理由であった。
もう一つは買ってしまったら、家でまで仕事をしてしまうのではないかという不安があったからである。
しかし最近かなり価格が安くなってきたうえに、このままでは時代に遅れてしまうのではないか
という危機感から購入に踏み切ったのである。
現在の使用状況はというと、ゲームをしたりインターネットに接続したりして結構使っている。
30歳を過ぎて、パソコン少年ならぬパソコンおじさんになってしまった。
それにしても、技術の進歩はすごいものだと実感している。
特にインターネットは、自宅にいながらアメリカのHPを見たり、
外国に住んでいる人とメール交換できたりしてしまうのである。
まさにテクノロジー万歳である。

ここにいま「ロケットベルケ」というグループのアルバムがある。
熊本で活動しているバンドなのだが、
そのメンバーのエネルギア氏と仕事上で知り合いCDを借りたものである。
内容は音的に言えば懐かしいテクノポップである。
エネルギア氏が崇拝するクラフトワークを彷彿させる曲や、
イエスやキング・クリムゾンに影響を受けたプログレッシブロック的な作品もある。
しかし昔流行したテクノポップとは、ひと味もふた味も違うような気がする。 
それはたぶん歌詞にあると思う。
「僕には醜い癖がある 怠け者 目立たず休ます働かず」という詩で始まる「怠け者」や、
「彼女を産婦人科に連れていったら妊娠9カ月だった まだつきあって半年なのに
  だまされるな 彼女に責任をとらされるぞ」
と歌う「MENTAL DISORDER」などに見られるように、
一見コミカルであるが、じつは真実をついているシニカルな歌詞に
彼らの真理が見て取れるのではないだろうか。
そしてジャケットにはこう記されている。

「このCDは、身近なデジタル技術を使って作られた作品です。
 テクノロジーは人類にさまざまな夢を
 与えてくれましたが、同時に多数の惨劇も生んできました。
                             中略
 私たちはせめて今の彼らのために、テクノロジーを使います。」

収益金はチェルノブイリ原発事故で苦しんでいる子供達へ贈られるそうである。

たしかに現代は、さまざまなテクノロジーの恩恵を受けている。
しかし一歩間違えば人類滅亡の危険さえはらんでいる。
まさに「もろ刃の剣」なのである。
僕達もその事実を認識したうえで、日々生きていく必要があるのではないだろうか。
そんなことを考えながら、今日もまたエッチなサイトをネットサーフィンしてる僕であった。
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