背番号90の男

 いよいよプロ野球のシーズンが始まった。
20年来のG党の僕にとって非常に楽しみな一年となりそうである。
ところで我がジャイアンツに今シーズンからあの男が戻ってきた。
あの男とは、西本聖である。
彼がまだ新人だった時代からずっと応援していた。
決して素質に恵まれているとは言えないが、コントロールと気迫のこもったシュートで
内野ゴロに打ち取る姿は実にかっこよかった。
特に江川が入団してからライバル意識を燃やし交替で開幕投手をつとめたころが最も輝いていたと思う。
それからチームの問題児的な存在となり電撃的に中日へトレードされたシーズン、
非常に複雑な心境で見守っていたが最多勝利に輝いた時は内心祝福した。
しかし手術を受けた時はもう引退かと思ったが、昨年オリックスで5勝をあげたので安心した。
そして今季、テスト生として巨人に帰って来たときはうれしかった。
見事テストに合格し背番号90をもらったと聞いたときは涙がでるくらいうれしかった。
西本は新人の頃、みんなが飲みに行くのに一人部屋の中でトレーニングしていたという。
人から付き合いの悪いやつだと陰口を叩かれながらも黙々と一人練習をしていたからこそ
巨人のエースになれたのだ。
いまやお笑いタレントになった定岡はみんなにちやほやされ遊び歩いていたという。
だから二流投手にしかなれなかったのだ。
僕はこつこつと努力する人が大好きだ。尊敬さえしてしまう。
僕の辞書には「努力」という言葉がないというくらい努力が苦手だからだ。
また一生懸命頑張る人も尊敬する。
何に対しても僕は熱くなれないからだ。
堀内コーチはあまり西本が好きではないようだ。
なかなか一軍のマウンドで投げる機会はないようだが、きっと巨人が窮地になったときに
西本が登場し気迫のピッチングでピンチを救ってくれるだろう。
そんな彼の姿を見るために今年も巨人を応援していこうと思う。
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