1972年に発表されたデヴィッド・ボウイの評価を決定づけたアルバム。
デヴィッド・ボウイ自らジギー・スターダストという架空のロックスターに扮し、
スパイダース・フロム・マースを率いてドラマを演じてみせる。
世界はあと5年間しかないという「5年間」でこのアルバムは始まる。
「魂の愛」では大衆の無知を伝え、造物主がジギーを作り出そうとしていることを
ほのめかす。「月世界の白昼夢」でいよいよ宇宙人ジギーが登場することを認識させ
「スター・マン」でジギーは救世主からのメッセージを伝える使命をもつ。
「レディ・スターダスト」で美しき生き物の哀れみを歌い、「スター」でスターダムへの
憧れをえがき、「君の意志のままに」でロックスターとなったジギーは
「僕が興味を持っているのは政治と自分自身とセックスだ」とエゴをむき出し
「ジギー・スターダスト」でファンの怒りを買いついにバンドは解散する。
最後の「ロックン・ロールの自殺者」で「神と呼べ」というジギー対して聴衆は
憎悪をつのらせ、ついに自らの手で自分を抹殺するしかなくなり、
「両手を差し出してくれ」という悲痛な叫びで終わっていく。
グラムロックの最高傑作といってよいアルバムである。
1947年1月8日ロンドンで生まれる。
63年にキング・ビーズを結成し活動を始める。いくつかのグループを経て
66年デヴィッド・ボウイと改名しデビューする。67年にファーストアルバム
「デヴィッド・ボウイ」をリリースする。その後「スペース・オデッセイ」、
「ジギー・スターダスト」をリリース。グラムロックのスターとなった。
75年にはジョン・レノンとの共作の「フェイム」が全米No.1に輝く。
77年にベルリンに移りブライアン・イーノとともに活動し「ヒーローズ」などを
リリースする。その後も「ロジャー」、「レッツ・ダンス」といった優れた
作品をリリースした。その後ティン・マシーンというユニットで活動後、再び
ソロで活動している。
またボウイは俳優としても数多くの映画に出演し多彩な才能を発揮している。