明日なき暴走/ブルース・スプリングスティーン


  1. 涙のサンダー・ロード(Thunder Road)
  2. 凍てついた十番街(Tenth Avenue Freeze-Out)
  3. 夜に叫ぶ(Night)
  4. 裏通り(Backstreets)
  5. 明日なき暴走(Born To Run)
  6. 彼女でなくちゃ(She's The One)
  7. 川向こうでの会見(Meeting Across The River)
  8. ジャングルランド(Jungleland)

このアルバムは、1975年に発表された3枚目の作品である。 本人が「僕はあのアルバムで、ディランのような詩を書き、スペクターのような サウンドを作り、デュアン・エディのようなギターを弾き、そして何よりもオービソン のように歌おうと努力した」と語ったようにロックン・ロールの歴史が詰め込まれた 大傑作である。 とにかくすべての曲が涙が出るくらい素晴らしいのである。 オープニングを飾る「涙のサンダーロード」やタイトル曲の「明日なき暴走」は 無茶苦茶かっこいいナンバーで、現在でも彼のコンサートではこれらの曲は欠かせない ナンバーとなっている。 そしてこのアルバムの素晴らしさは最後のナンバー「ジャングルランド」に結集されて いるといっても過言ではない。 ストリングスとピアノの静かな音色で始まり、スプリングスティーンの息遣いが伝わって くるようなヴォーカルは徐々に歌い上げていく9分を超える大作である。 実は私は幸運にもスプリングスティーンのライブを生で観たことがある。 その時の興奮と感動は一生忘れない思い出となっている。 これまでU2やエアロスミス、ヒューイ・ルイス・アンド・ニュースなど大物と呼ばれる アーティストのライブをかなり観てきたが、はっきりいってスケールが全く違っていた。 東京ドーム中が本当に総立ちで熱狂したあの夜から、私にとってスプリングスティーンが こそが世界一のそして唯一のロックン・ローラーとなった。 そのスプリングスティーンの最高傑作がこの「明日なき暴走」である。


●ブルース・スプリングスティーンについて


1949年9月23日に、ニュージャージー州で生まれた。 13歳でギターを始め73年1月「アズベリー・パークからの挨拶」でデビューした。 「ニュー・ディラン」と評される。セカンド「青春の叫び」を評論家のジョン・ランドウ が絶賛したころから一部の熱狂的な支持を受けはじめる。そして75年の「明日なき暴走」 が全米にセンセーションを巻き起こしアメリカを代表するロックン・ローラーとなった。 その後も活動を続け、84年に発表した「ボーン・イン・ザ・USA」が世界的な大ヒット を記録し、世界的なスーパースターとなった。さらにグラミー賞も獲得し名実ともに「ボス」 に相応しい活躍を続けている。

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