このアルバムは、1967年に発表されたドアーズのデビュー作である。 ジム・モリソンの悪魔的で野太いヴォーカルと、レイ・マンザレクのオルガンを中心とした サウンドは、現在聴いても全く古くさくさを感じさせない。 このアルバムからシングルカットされた「ハートに火をつけて」が、大ヒットしたが、 他にも透明な印象の「水晶の舟」、人間の生と死を描いた大作「ジ・エンド」などのすばら しい曲が収録されている。 「ジ・エンド」は、F・コッポラ監督の「地獄の黙示録」でも使われているが、ジム・モリソンと F・コッポラは学生時代(UCLA)の友人で一緒に映画を撮る話もあったらしい。 後のパンクやニューウェイブに多大な影響を与えた作品である。
1965年に、ロサンジェルスで結成された。
メンバーは、リーダーでヴォーカリストのジム・モリソン、キーボードのレイ・マンザレク、
ギターのロビー・クルーガー、ドラムのジョン・デンスモアの4人でベーシストがいないと
いう変則的な編成である。
67年に「ハートに火をつけて」を発表、タイトル曲が3週連続でビルボードのナンバー1
を獲得しトップバンドとなる。 セックスと死をモチーフにしたジムの詩は、当時のサイケ
デリック・ムーブメントもあり多数のファンを獲得する。その後も数々のヒットを連発し
「まぼろしの世界」、「太陽をまちながら」といった優れたアルバムを作成する一方、ツア
ー活動も行っていたが、ジムがコンサートで自慰行為を行った 事件以降、徐々にパワーを
失いセールス的にも落ち込んでいった。71年に後期の名作と言われる「LAウーマン」を
発表するが、ジムが同年7月3日にパリで悲劇的な死を 遂げる。残されたメンバーはその後
も活動を続けるが73年に解散してしまった。