久 松  勉

27期・関西支部

久松勉

徳本峠にて(昭和40年8月)

  私がこの世に生を受けた年に鵬翔山岳会が誕生して、それから二十七年の歳月が過ぎて私は入会しました。

  会に入って忘れられない場所が徳本峠です。入会して初めての各支部合同の夏季合宿は徳本峠を越えて常念、蝶、槍の山行でした。 魚止めの滝で幕営、翌日徳本峠に達する最後の急な登りの厳しかったこと、そして、峠の茶屋でのしばしの休憩の時出されたワラビの漬け物が緑も鮮やかだった事までも、今でも私の脳裏に鮮やかに焼き付いています。

  その後、穂高を始め、剣、立山など北アルプスや、南アルプス、郷里四国の山や大阪、京都近隣の山々にも登ってきました。

  思い出深い山は沢山ありますが、そのなかでも、上高地に入る古典的なルート徳本峠越えは、鵬翔山岳会に入会して初めて北アルプスに入山したルートとして忘れられないところです。

  それから三十数年を経て、平成11年初夏に当時の岳友と再び訪れてみましたが、うつろいゆく人の世の流れとは違い、ほぼ当時のままの姿をとどめていことに、ほっとひと安心しました。

icon382.gif 記録「赤沢岳西面」

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