スネーク・アイズ

Snake Eyes (1998)

Directed by Brian De Palma


豪雨の中、アリーナで開催されるボクシング、ヘビー級のタイトルマッチ。

その試合中、1万4千人の観衆の前で米国防長官が狙撃される。

現場に居合わせた賄賂を受け取る汚職警官リック・サントロは、

鋭い嗅覚で犯人を追い詰めるのだが…。

久々に見たブライアン・デ・パルマサスペンス映画

凝りに凝った映像でございます!

白スーツ、白ストッキング、白ハイヒールと全身白装束の金髪美女が、

長官の返り血と自分の負傷で血の赤に染めあげられ、

群集はパニックになって出口へ殺到する迫真の狙撃シーン。

最初見た時は、ワシも逃げまどう観客の一人であって、

何が何だかわからん状態

後で幾度も謎解きのために視点を変え反芻されるにしたがって、

野次や携帯電話が巧みに現場に組み込まれている事に感心してしまう。

最初にチャンピオンのタイラーに八百長試合の口を割らすのがポイントだな。

冒頭から観客の一人として観戦に来ていたリック(ニコラス・ケイジ)の

テンションが異常にハイ!

中盤に親友がテロリストのリーダーと発覚するのだが、

真相を知って苦悩し怒る所や、

100万ドルでの買収を持ちかけられ、ぶるぶる震えながら煙草を

くわえるトコなんか、心理描写がけっこう良いですなぁー。

役柄が灰色の人物なんで、いつ悪事に加担してもおかしくないとゆ〜

いかがわしい性格を見事に演じてます。

あと、何が身につまされるかって言えば、

テロリストと警官がいる試合会場とカジノビルを、

女が眼鏡なしで必死に逃げる所じゃろう!

そうとう近視らしい彼女、ワシと同じぐらいの裸眼視力しかないので、

世界が全部、ボケボケのピンぼけ

しかも退路を封じられてカジノビルの中を殺し屋から逃げなきゃならん。

もう、泣きたくなるじゃん!

最後の大逆転劇も「アンタッチャブル」(87)の

階段と乳母車のシーンに匹敵する仕上がり!

女が隠れてる遊歩道に通じる小部屋に向けて、

壁越しに撃った銃弾が外扉のロックを解除して、扉が開いた瞬間、

地球儀の様な広告塔を避けてきたパトカーが突っ込んでくる。

絶妙のタイミングでパトカーの下に潜り込む瀕死のリックと近視の女。

と文字にすればこんな感じ。

う〜ん素晴らしい!

「俺を英雄にしないでくれ。

君と出会わなかったら金に転んでいた」

って台詞も口説き文句として決まってるね。

エンド・クレジットの最後、

コンクリートの柱に埋め込まれた赤い四角い物体って、

ケビン・ダンが殺した仲間の指輪なの?

スネーク・アイズ…二つのダイスが共に1の目を出す事。

代表的なカジノゲームである"クラップス"では、

第1投目に"スネーク・アイズ"が出ると親の勝ち。

プレーヤーの負けとなる。

転じて決定的な敗北の意。

99/3/11


Kの独善的評価 ★★★★(サスペンスには、ミステリアスな美女が不可欠だね!)


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