SADA

(1998)

監督:大林宣彦


昭和11年(1936年)5月19日に発生した、

女が愛した男のオチンチンを切り取り逃亡するという阿部定事件

大林宣彦的、実験手法バシバシで描かれるの半生。

時代背景が大正〜昭和初期の作品であることや、

実験映像の目白押しってことで、

寺山修司

の映画を彷佛させるのじゃ。

田園に死す」とかね。

ワシは終始、何故、はモノを切り取るに至ったか?

って思いながら見てたのだが、案外ソフトに表現してあったな。

陰茎と陰嚢を切断する道具(メス)の入手に、

定、14歳の初恋の相手、医学生でハンセン氏病患者の岡田を

もってきたのは実に自然じゃ。

「心を切り取る、心があれば安心できる」

物質化できない不確かな心に対する苛立ちと、

精神状態とは裏腹に、過激に欲情する女の体を持ち合わせた

唯心論vs唯物論を体現しとるじゃん!

割烹料理屋の旦那、龍蔵(片岡鶴太郎)の気っ風のよい

立ち振る舞いがgood!

98/04/19


Kの独善的評価 ★★(定と龍蔵のからみが弱いと感じる


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