(1997)
Directed by Francis Ford Coppola
訴訟国家アメリカ、弁護士人口過剰の町メンフィス。
レインメーカー(一流の弁護士事務所に所属し、金払いのよい依頼人に囲まれて、
雨のごとく金を降らせて成功をおさめる弁護士)に憧れる若き弁護士(マット・ディモン)が、
貪欲な強者の弁護士チームと保険金の賠償訴訟で対決する物語。
弁護士は依頼人と距離をおくべきだ(私情で冷静さが失われる?)ということだが、
主人公は、抱える3案件全部の依頼人と密接な付き合いをしていくことになる。
遺言状作成の老女の依頼人には、庭の草取りを条件に部屋を間借りし、
保険会社相手の賠償請求の件では、依頼人の息子(白血病で余命わずか)と連れ立って食事に出る。
離婚訴訟の女性とは不倫関係になっちまう(劇中では決定的な濡れ場はないけどね)。
行動における感情の重みづけ
ってのを感じましたのじゃ。
頭じゃわかっていても、その通りに行動しないコトってよくあるじゃん。
何でかって言ったら、その「頭じゃわかってるコト」が軽いからだよなぁ〜
行動には必ず感情の重みづけが関わってくる。
企業の豊富な資金力を背景にする経験豊かな一流弁護士チームには、金しかないって気がする。
それに引きかえ、主人公は法律学校出たてのルーキーじゃが、死に直面している青年という
背景がある。親しくなったならなおさら痛切だ。
一箇所に長く溜れば水は濁り腐敗するのが当然なら、堕落もまた必然と思える。
裁判では被告側の徹底的な攻撃でハラハラさせられる。
とくに大芝居を打つ会社側の弁護士が憎ったらしいのじゃ!
ジョン・グリシャム原作ものってのでは、「ザ・ファーム/法律事務所」や「ペリカン文書」の
よーなサスペンス仕立てより「レインメーカー」の青春路線が好きである。
98/06/27
Kの独善的評価 ★★★+(青春映画のコッポラ復活って感じ♪)