監督:伊藤秀裕
原作:筒井康隆
主演、(日本のWillem Dafoe !!)豊川悦司!
ヤクザ映画なのだが、ひと味違うところは、
二重人格の男の話ってことじゃ。
人畜無害・温厚な鶴丸杉夫は、
冷酷非情・極道を絵に描いたようなもう一人の自分、松夫に引きずられて、
暴力団事務所に出入りする。
元ピアノの調律師の気弱な男が、スイッチを切り替えるように
凶悪凶暴な破壊・破滅的な男に変わる。
ひとつの状況下で、ワンシーンで切り替わることが度々ある。
顔の表情、声、態度が極端に変化するのは驚く。
温厚→凶暴の変化は観客を恐怖させ、
凶暴→温厚の変化は逆に滑稽であり笑わせる。
ボクシングジムで護身用の拳銃を兄貴分から渡されて、
ヤクザから一般人に変わる。
自分が手にしているのが拳銃だと知った時、恐がるのだが、
見ているこっちも同じ重さ、殺人用の武器を実際に持たされたような
異様な不快感(リアリティ)があって気分が悪くなったのじゃ。
冒頭で杉夫をふった高飛車女をその後、
ホテルに呼び出した松夫がいたぶり回し犯しまくるのは、
見てるこっちも興奮した。
サディスティックな快感があったネ。
96/09/30
Kの独善的評価 ★★★+ (トヨエツが良い)