バイオハザード3

監督:ラッセル・マルケイ

RESIDENT EVIL : EXTINCTION (2007)


Tウイルスに汚染され、バイオハザード(生物災害)に曝されたラクーンシティは、

ミサイル攻撃で消滅させられた。その犠牲も虚しく、Tウイルスは北米を皮切りに地球規模で汚染を拡大。

生肉を求め歩く死者の群れが地上を覆い尽くし、地球は死者の星になりつつあった…。

巨大製薬企業アンブレラの私利私欲が引き起した未曾有のウイルス被害を描く、

テレビゲーム原作映画の3作目。

単純に言うとゾンビ映画。主役はゾンビと言ってもいいかも。

ヒロイン「アリス」を演じるのは、お馴染み、ミラ・ジョヴォ姉さん。

今回もきれいです。

激しいアクションで暴れまくり。もう、その力は人間を超えてます(笑)

1と2はテレビ放映で見ました。3まで見て、比べるのもアレなんですが、

やっぱり1作目が一番面白いです。

ウイルスの感染、病気の発症と汚染の拡大、治療法(抗ウイルス薬)など、

バイオハザードの題材と、記憶を失った美女の謎。

コンピューターとコンクリートで構成された地下都市。研究所員の皆殺しという無慈悲で冷酷な対応。

そして襲いかかるゾンビが上手く描かれていましたねぇ。

2作目は、もうちょっと面白く作れたのでは?とも思う。

今回の3作目は、ミラ・ジョヴォ姉さんを除くと、ほとんどロメロの「死霊のえじき」。

ゾンビに囲まれた地下の巨大研究所で、ゾンビを使っての生体実験。

ゾンビの教化というキーワードも出ました。

ミラ・ジョヴォ姉さんのクローンが実験で殺され、無数の死体が打ち捨てられている冒頭の場面。

そこが映画のハイライトだった気がする。

終盤、その事実を目の当たりにするミラ・ジョヴォ姉さん。

その時、生命をイヂクリ回し物の様に使い捨てる非道、

死の恐怖や苦痛を何度も追体験する絶望、内臓が裏返って口から出そうな耐えきれない嫌悪感…

そういう表現がとっても少ないのね。弱いのね。

砂漠になったラスベガスでの、超攻撃的なゾンビ集団との激しい戦闘。

あそこは力が入っていたとは思うけど、全体的には、やや残念な気分であります。

植物がTウイルスに曝露した形態も出して欲しかった。

先日(11/21)、人の皮膚から作った万能細胞の報道がありました。

再生医療の扉を開く、ノーベル賞クラスの研究成果と言う事です。

ES細胞の倫理問題や拒絶反応を一挙に解決する夢の発明なのだそうです。

日本の研究グループ、京大の山中伸弥教授は、

NHKニュースウオッチ9で、慎重さと責任感を言っておられました。

遺伝子を操作する物事は全て、高い倫理観と重い責任が求められると思います。

人間が本当に遺伝子操作をしても良いのか?

という根源的な問い掛けが常にあるからです。

特定の企業の金儲けなんて、恐ろしい未来は嫌なのです。

我々は、アンブレラを作ってはいけないのであります。

2007/11/22


Kの独善的評価  ★★★(続編も十分ありそうです)


[戻る]