(1995)
director:Terry Gilliam
テリー・ギリアムお得意のブラックな近未来物語じゃった。
「未来世紀ブラジル」「フィッシャー・キング」と見てきたが、
そのどれもが独特の世界観で、気狂いじみて作り込まれてる。
共通するモチーフあるいは記号として、精神異常者、精神病院、
監禁・拷問、顔面の変形、テロリズム、愛し合う男と女…
「12モンキーズ」はタイムトラベルという形をとっているが、
謎解きの要素が、少年の頃空港で見た出来事として埋め込んであり、
繰り返し劇中で反芻されるため、見る者をあきさせない。
サスペンスとしても一級品じゃ!
記憶力の良さと行動力から減刑を条件にタイムトラベラーに選ばれた
ブルース・ウイリス。
幾度か全裸状態で水をぶっかけられ、
棒ずり状のブラシで体を洗う場面があるのだが、妙にエロチックで印象深い。
あと、奴が殺人を犯した時、「どうせ皆死ぬのだ」と合理化するのが凄いザンスぅ!
映像面では、広角レンズを多用して歪んだ画面を効果的に使ってあった。
傾いたフレームワークも多く、見ていて気持ち悪くなる所もあるぞぉ。
気狂いのボンボンを演じるブラッド・ピット、ひと皮むけた発狂ぶりじゃ!
96/07/10
Kの独善的評価 ★★★★ (厭世的だけどオモロイじゃん)