main What's New index mail to bluesboy

THE 6th

PARK TOWER

BLUES FESTIVAL

Shinjyuku Tokyo Japan 1999

12月10日-12日 3Days


今年もやって来ました、12月はこれが最大の楽しみ!

白熱のライヴ・リポート!

12月12日(日)

今年のパークタワーがもしかしたら過去を通じて最高だったかも知れません。
少なくともこの日曜日はそう感じさせるに充分な内容でした。
トゥルーディーの来た96年も最高でしたけど、
全パフォーマーが全て最高の姿を見せてくれたことが大きかったです。
プログラム順に簡単なレポートをまとめます。

Bernard Allison

ご存じ、ルーサー・アリスンの息子ですが
65年生まれと言うからまだまだ若手と言えます。
89年に出したアルバム"Next Generation"は当Blues PEOPLEの
CD-GUIDEでもレビューしていますが、私のお気に入りの1枚。
そんな訳で実際のステージを観ることが出来て非常に嬉しかったです。

冒頭から予想通りハードエッジなファンク・ブルースが多く手応え充分、
合間に一曲やった亡き父ルーサーの"Bad Love"も熱唱でした。
そのバーナードは目の表情がが非常に可愛いかったです!
最前列に居た私の眼の前までギターを弾きながら来てくれたのですが
弾いてる間もこちらの目を見ていて、私がめちゃ喜んでると知ると
大きな目をぱちくりぱちくりしながら、目で thank you というんです。
もうその距離は約30cm。まさに大迫力でした!

当初からSRVフリークという前評判でしたが、私にはことさら
レイヴォーンを意識してやってるというより、これが彼自身の
スタイルの一部になってるのだと感じました。大満足!!

The Soul Stirrers

かつて50年代にはサム・クックも在籍していた伝統のある
ゴスペル・グループ。今オリジナル・メンバーはひとりもいないと
言われていますがその実力に遜色があるとは感じませんでした。
堂々としたステージ運びと、コーラスの美しさに酔いました。

冒頭から、コール&レスポンスと取り込んだ曲が多いことで
自然とこちらも歌を返すような気分になるせいか、聴いてると言うより
参加している感覚になるので手拍子、足拍子を取りながら
全身で歌を受け止める感じ。実にゴキゲンです、これが。

途中で歌いながら下へ降りてきたソロのひとりが(名前が判らない)
手を差し出すので思わず握り返したら、しばらくそのまま歌ってくれました。
何だか今日は良いことが色々ある日です。(笑)

誰もがサム・クック風だったと言う中、サム・ムーアに聞こえた私は
単に自分がゴスペルを聞き込んでいないだけかと自らに疑問を持った日。
しかし、こういうのを聴くとハートはポカポカに暖まります。大満足!!

Eric Bibb

アルバムを2枚聴いていたのでエリックのイメージは掴めていたのですが、
実際のステージは予想以上にフォーキーな感じで、芸術的な雰囲気も
漂っていました。その風貌も非常に穏やかで思索的な眼をしたひとで、
かなりのインテリジェンスを感じました。

相棒のギターと2本のアコースティックで醸し出される世界は
その優しいタッチのヴォイシングと相まってふんわりと
会場を包み込む羽毛布団のような温もりを感じた次第です。

このひとは是非いつかもっと小さな会場で単独で観たいと思いました。
バンド勢と混じってホールでやるにはちょっと分が悪い感じがしました。
でもそんなこと全く気にした風もなくマイペースでやっていたのが良かった。

会場で配布されたパンフレットに陶守さんの解説が載っているのですが
それによると父親はフォーク・シンガーのレオン・ビブ、聴いて育ったのが
ピート・シーガーだったといいます。道理で・・納得しました。
30代くらいに見えましたが今年で48才とのこと。

あとでロビーで会ったときも、言葉少なにウン、ウンと頷くだけで控えめな方でした。
私が相手にされてなかっただけかも、ですが。(^-^;;ヾ

Roy Gaines

アップ・セッターズのグラディ・ゲインズを兄に持つ、
ヒューストン生まれの豪快なギタリスト。体型も豪快でした。
アルバムで聴けるイメージ以上にエンターテイナーぶりを発揮し、
のっけから独特のステップを踏んだり飛び跳ねたりしながら会場の
喝采を浴びる。

ジャンピーでスピード感のある曲が得意なのはもちろん
ファンク調の曲でも圧倒的な存在感を感じました。
と、やおら彼が私の目の前まで降りてきてギョロ眼を見開きながら
ギンギンのソロを弾きだしたではないですか。
思わず嬉しくなってしまった私はGo! Go!と声援を飛ばしたら
こんどは後ろへでんぐり返ししながら弾く技を見せてくれました。
ほんとに、今日は良い日だ!!(笑)

でも途中で挟んだスロー・ブルースで不覚にも私は
眠ってしまいそうになったのです。ごめんね、ロイ。

また、この日は吾妻光義さんがロイ・ゲインズのセットに後半加わったのですが、
ゲインズも舌を巻くほどの技をここぞと披露し、そのテンションの高さには
誰もが唖然としたはずです。ジャンプ系の美味しいフレーズをそこここに
散りばめたゴキゲンなパフォーマンスに会場も一気に大盛り上がりでした。

むむ・こしゃくな!!とゲインズの血圧も一気に上昇!!と、
そこでいきなりゲインズは弦を切ってしまったため、彼が弦を張り直している間、
吾妻さんが延々と持ち技を披露してくれました。
まるでこの夜は吾妻さんのためにあったかのような展開。
しかし、吾妻さんの気合いの入り方は凄まじかったです。

またハーモニカの太郎君もここで登場し、そのちっちゃな体のどこから
そんなパワーが!?と思うような素晴らしいプレイを聴かせてくれました。
一心にハモニカを吹く姿がなんとも感動的で、しかもちゃんとボスの方に
要所でアイ・コンタクト入れて全体の流れを把握しながら吹くのには
参りました。またそのぱっちりした眼の可愛いこと!!

もうひとりのゲスト松川純一郎さんも、衣装・ギター共に、まんまSRVという
出で立ちで颯爽と登場、でも松川さんのソロのとき、ゲインズのギターの音がバカでかく、
彼のカッティングで松川さんのギターが聞こえないくらいだったのが残念でした。

消息筋の話ではこのあとゲインズと吾妻さんはそのまま
P-VINEの手配でスタジオ入りしてアルバム一枚分を
朝までかけて収録するとのこと。非常に楽しみです。

ロイだけでも充分に満足していたのに、この素晴らしいゲスト陣の
パフォーマンスには大・大・大満足でした。

Bobby Rush

綺麗所のダンサーを二人引き連れてきたラッシュ、
のっけから噂通りの猥雑なステージ運びには思わず苦笑しました。
しかし、そこが超一流のエンターテイナーか、下ネタを連発しながらも
実力に裏付けられたステージ運びと、なによりボビー自身の
シンガーしての魅力を存分に発揮する様にあっという間に引き込まれる。

バンドも実にタイトに反応し、ショーとしての完成度も非常に高く、
徐々にリスペクトを感じ始めた私は精一杯の声援を下から飛ばしました。

と、ここでも突如ボビーが降りてきていきなり私をステージの下まで
引っ張っていき、お尻を向けて踊っているダンサーの尻を指さし
Do you like this?と聞くので、私はおっきな声で答えました。
Yes! I like it!!
するとボビーはめちゃ喜んでくれて何回も何回も同じ事を聞くので
私も何回も何回も I like it! を連発しました。(笑)

このあと彼は何度も客席に降りてきて周囲のお客さんとも
握手したりしながら大熱演でしたが、時折見せるハーモニカの
プレイの実に繊細なタッチや、曲中でのバンドへの指揮ぶりを
観ていてプロのなんたるかを見せつけられた気がしました。

そんなボビーの神経の細やかさはあとでの
大ジャム・セッションのときにも感じました。
参加者全員にちゃんとスポットが当たるようにステージせましと動き回り、
場に相応しい曲を次々その場でリズム隊に伝え、長丁場のセッションを
最後までだれないように引っ張っていました。

バーナードが遠慮がちに先輩達の後ろに控えているのに気付くと
すぐにアプローチして、フロントに立って歌って弾くように指示したり、
スターラーズのメンバーが出てきたら、間髪入れずにコーラス回しを指示したり
とにかく一番心配りの豊かな人でした。

そのボビーには終了後にロビーでいきなり抱きしめられて、
今度やるときも君にはそこに居て欲しいと言われ、何度も何度も握手をしました。
私の方もボビーの最高のパフォーマンスに酔っていたので、
You are so Great! I Love Youを連発。死ぬほどhappyでした。
もうひとりの最高のパフォーマー、太郎君もボビーの抱きしめ攻撃にあってましたが、
陶守さんに、その太郎君、ボビー、私の3人で一緒に記念写真を撮って貰いました。
陶守さん、ありがとうございます!! m(_ _)m

(右端に佇んでるのはエリック・ビブ)

会場では陶守さん、妹尾美恵さん、江戸川スリムさん、ティーチャーさん
サム'ズの小川さんにも会えたし、収穫の多い年でした。

それでは皆さん、来年もまた会場でお会いしましょう!
今年行けなかった人も、是非来年こそ!!



[contents] [link] [top] [what's new]