Vol.13

「気付いてみれば20代最後のサマータイムブルース」

どーもこんにちわ。

“まさかの頭痛に朝香のセデス”と言いたげに“まさかの故障に心もフリーズ”
さらには“またかのメールにぐらのよもやま”という具合に道を辿り、今日もこうしてお邪魔させていただいているわけでありますが、公私ともに充実感のあった8月もすでに過ぎ、気付いてみれば20代最後の僕の夏だった。 皆さんは今年の夏をどう過ごされたのだろうか?僕個人、幼少の頃から海では泳いではいけないという密かな小椋家の家訓を何げに守ってしまい、海水浴といえば地元のジャンボ海水プールで数回泳いだ事しかなかった。22歳の時イベント先の山形で、初めて本物の海水浴を体験した僕にとっては、いまだに何かと夏の過ごし方として海水浴に行ける事がたまらなく嬉しい事となったいる。しかしながら海岸では、年々アップしていくウエストサイズに葛藤を感じながらも、肌を焼けば黒人ブルースマンに近付けると胸をなだめるのである。 そんな中、今年の夏に印象に残っている出来事の一齣として、自分で率いるバンドのライブも去る事ながら、大先輩のミュージシャンの方々と奏でた静岡でのライブの一件をよもやましてみたいと思う。

静岡県は浜松市からちょいと離れた竜洋町というメロンの生産地で有名な町。ここのなぎの木会館という場所で、日本を代表するハモンドオルガン奏者、酒井潮さんを筆頭にマルチ派ジャイブな藤井康一さん(vo,sax)、ローラーコースターの山崎よしきさん(dr)とジャジーでジャイブなブルースライブを行ったわけです。そもそもこのセットは93〜4年頃「Cookin'with B-3」というバンドとして、これまた日本のブルースギターマスターこと塩次伸二さんをフューチャーし、レコーディング及びライブ活動をしていた母体なるもので、このセットで顔を合わせる僕としては、まだ学生時代のイベントで前座をやった依頼という事で期待感十分なものだったわけです。そしてライブ当日、なぎの木会館のガーデンステージという野外に機材をセッティングするものの、直後に雨がポツリポツリ....いや〜ん!ということで当初の予定通り雨天は館内になっており、そりゃ移動じゃ〜...そんな中でどんどん時間が過ぎていくわけで、そう、リハができんではないか!と不安も過る。最も、ブルース、ジャズの世界では本番一発も不思議じゃないわけだけど、少なくとも初共演の酒井さんのハモンドで奏でるベースの感触と(注:このバンドにベーシストは存在していません)同じく初共演の藤井さんの歌ものをせめてチェックした〜いという野望にかられたという事だったのです。とはいうものの、結局マイクをチェックして「じゃあいいね」ってなぐあいで無事リハ終了。そしてお客さんも本当にたくさんお運び頂きまして、いざ出陣!まず、クールにインストを決めた後、藤井さ んがLET'S THE GOOD TIMES ROLLでいきなり日本語の歌詞で思わず横で僕がうけてしまい、序盤からいい感じでやらせていただきました。ちなみに藤井さんはウクレレ漫談の元祖牧伸二さんを師匠とし、牧伸三の異名を持つ事でも知られていますが、来ていただいたお客さんの年齢層も少々お高めの雰囲気の中、さすがのステージ運びをされていました。それに引き換え児童相手にアプローチした俺はせこいナァ〜...と。(笑)そして永年おつき合いさせていただいている山崎師匠の山崎シャッフルはもちろん、歌って叩みかけるドラミングには圧巻で、僕の未熟なギターを助けていただいたような気がしました。そして酒井さん。酒井さんは7年前下北沢のイベントで直接お目にかかっていた依頼だったのですが、その頃よりもまず見た目がファンキーさをかもし出していて、以前よりずいぶんお若く見えましたが、ハモンドを弾く姿にはなんとも後光がさしており、言葉にできぬほどの熟知し切ったプレーは神の粋だとこれまた感動。そう、このお三方、感動するにも当然のごとくベテランの味を感じざるをえないのは事実ですが、ちなみに余計な事かとは思いますが、酒井さんは、学習院時代天皇陛下の一つ 後輩に当たられるということでびっくりいたしました。そして、ライブも時間一杯、途中外は新幹線も止まる程の豪雨に見舞われていましたが、無事楽しく終える事ができたのです。改めてこの場をお借りしまして、竜洋町の皆さんをはじめ、プロモーターの川島さんに御礼申し上げます。

そしてライブ翌日、その川島さんの御好意の元、藤井さんとともに、この「ぐらのよもやまぶるうす」の創立者である白岩さんのレコード店アップルジャムへ案内していただける事にもなり、ついにメル友というバーチャルな関係を打ち砕く劇的な初体面を果たせる事にもなったのです。そもそも偶然にも白岩さんは竜洋町にお住まいで、打ち上げ会場でも会えないとお聞きしていた時点で、あきらめてはいたんですけどね。それに付け加えお店では、東京からいらした僕と顔見知りのお客さんもいて驚きました。またいつか静岡にいける日を楽しみにしています。

ってなわけで、ここで気合いのライブ情報をかねて、今回のグラのデラックスブルースショウなるものは
前回に引き続き場所は東中野のキングビーとなるわけですが、以前記述して御承知の通り僕が特にお世話になっていた店長、千田さんが11月中旬をもって引退されるという事で、それまでのキングビーライブに対する思いを感じていただけたらとも思いますが、幸いお店は存在しますので御心配なく。

さて、今年の夏に僕の中で特にヒットしたブルースナンバーがあるので御紹介して次回のライブで演奏したいと思っている歌があるんですが、実は、この夏にある知人の女性陣との会話の中でたまたまこんなコメントをお聞きしまして...「あたしさ〜、こ〜んなに足の太いおねェちゃんとかが、ちょ〜ミニのスカート履いてるのって、ちょっとは考えろって感じ〜....」と、スレンダーな方からの御意見いただきまして(笑)、まあ、僕の基準にも限度はあるとしても、どんなに足が太くてもミニを履きたいと願う女性の気持ちにブルースを感じるわけなんです。しかしながら、“足の太い女”は、昔からブルースのテーマの一つとして好まれてる題材でもあるのが事実で、どうやらそういった女性に美しさを見い出そうとするのが黒人独特の価値観でもあるとライナーにも記されている。 そこで、そんな「やたら足が太いのに、短いスカートをはいている女」という歌を改めて歌ってみたくなってしまったわけで...。
それが「BIG LEG WOMAN (With a short short mini skirt)」というファンキーなブルース。元々僕自信が知ったのは、フレディーキングの「テキサスキャノンボール」が最初で、日本では永井ホトケ隆大先輩も十八番にしているナンバーとして気に入っていたが、先日アップルジャムさんにお邪魔したのを切っ掛けに、遅ればせながら原曲者であるイスラエル・トルバートの「ポッパー・ストッパー」(P-VINEから再発されたスタックスシリーズ)を購入し、さらに僕の今年の夏のヒットナンバーとなった。

そんな中、やはり改めて実感する事は、ブルースというものは、世間一般でついマイナス思考でとらえてしまいがちな事を人生前向きにプラスに考えていこうという、とっても明るいものなんだなぁということなんです。坂本九ちゃんの「前を向いて歩こう」的なね。「スキヤキ」がアメリカで売れたのもその精神からかも知れません。

そんなわけで、「ブルースは明るくて楽しいものと」をモットーに繰り広げられる、今回のライブでは、ベースにJOJO沢渡さんを始めかつてレイカ&ウェイターズでも活躍していたベテラン谷口英視さん(通称タニヤン)をお迎えすることになったわけですが、ながい飲み付き合いの割には改めて一緒にライブをやるのは初めてで、今回のバンドサウンドがどうなるのか僕も楽しみにしています。
なお、ライブ詳細は下記の通り。是非遊びに来て下さい!

GURA OGURA & THE デラ BLUES
LIVE AT KING BEE!!
2001. 9/15 (土)

〈MENBER〉
グラ小椋 (Guitar & Vocal)
ヤス飯村 (Guitar) 福島健一 (Tenor. Sax)
谷口英視 (Bass) 今ブー(Drums)

OPEN PM6:30〜
START PM7:00 ~ 他2バンド出演
♪ Charge 前売り¥2000 当日¥2300
*電話予約で前売り料金にて御入場できます

E-mail: aah78640@pop06.odn.ne.jp
グラ小椋
APPLE JAM [GURA NO YOMOYAMA BLUES]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~bluesboy/reports/gura/gura.html