まだ十代だった頃、京都会館で観たウエストロードは実にカッコ良かった。
二十代になったばかりの頃に東京で観たウエストロードはさらにカッコ良くなっていた。
サントリー・ホワイトをラッパ飲みしながら登場するホトケはバンドをやりたくて仕方がなかった、その頃の私には眩しい存在だった。
ふらっと寄った京都の十字屋楽器店で、マネージャーとベーアンの音出しをしていた小堀さんを見かけたことがある。
すらっとした上背で、黙々とベースを弾いてる姿はやはり眩しかった。
その頃勤務していた京都のレコードショップにこのマネージャーさんはよく来てくれた。
レズリー・ウエストの得意なハードエッジなピッキングを(ピックで弾いた弦を親指の腹に当ててキィィーンッといわせる)
山岸さんが練習してるんだよとか、わくわくするような話をよく聞かせてもらった。
そんな事があったせいか私にはウエストロードに格別の思い入れがある。

-- b.b. - Feb.16,1997

 Fool's Paradise / Takashi"HOTOKE"Nagai ZACL-1038 J-DISC 1996.12

1 Fool's Paradise(entrance)
2 Dog Day Blues
3 I Don't Know
4 Driftin'Dream
5 Love Yourself(You can't get aii the things that you want)
6 Outlaw Blues
7 Still,I love you
8 Wonderful Weekend
9 Night Walk
10 Tokyo Love Call
11 Louisiana Thunder Storm
12 Fool's Paradise(exit)

ラップで聴かせてくれる"Love Yourself(You can't get aii the things that you want)"が
なんだかモヤモヤしていた私の気持ちを、ストレートに吹き飛ばしてくれるんで一発で気に入りました。
ホトケも現状に怒ってるんだなと思う。

TVでこういう曲がガンガン流れるようになったら、日本の未来も期待できるんだけど。
記号化された歌詞をリズムに乗せるだけの「作業」みたいな音楽ばかりではバランスを欠くってもんだ。

ボトムの低い腰だめの、ファンキーさが漂よう音づくりがアルバムを引き締めてるように思う。
このアルバム、無茶苦茶気に入ってます。
"Fool's Paradise"もいい味出てるし、これから徐々にホトケの存在感がクッキリしてくるような気がします。

巷で別に何がハヤってもいんだけど、一方でバランスもとらなきゃ世の中おかしくなっちまうよ。
地に足の着いたものもあるんだってことを発信するメディアを期待してんだけどなぁー。

 Live in New York / the WEST ROAD BLUES BAND ZACL-1024 1995.6

1 You Belong To Me
2 Talkin'Woman Blues
3 Mean Old World
4 I'll Go Crazy
5 Talk To Me,Baby
6 Early In The Morning
7 It All Comes Back
8 Take Me To The River
9 Shake A Hand
10 Tutti Frutti
11 The Blues Is Airight
12 Mannish Boy
13 Just A Little Bit
Takashi"HOTOKE"Nagai - vocal
Shinji Shiotsugu - guitar
Jun Yamagishi - guitar
Tadashi Kobori - bass
Teruo Matsumoto - drums

Guest:Charles Hodges - organ

ニューヨークでライヴ、一発録りされたゴキゲンなアルバム。いつもながら松本さんのドラムはタイトで無駄がない。
これ聴いてるとついニンマリします。今でこそ日本人がブルースをやることは普通のことになったけど、その草分けでもあるウエストロードがこうして
いつでもオリジナル・メンバーで結集できることへの感激っていうかな、うまくいえないんだけど、ジーンとくるものがあります。

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