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Voice from a crease of heart....

心の襞に染み込む歌声・・・


5才でヴァイオリンを習い始め、15才の時からプロとして歌い始めたアリスン・クラウズ。
研ぎ澄まされた持ち前の美しい声と、自ら奏でる軽やかなフィドルの織りなす綾に一度
魅了されると忘れられなくなります。

また彼女の一連の作品を聴く限り、これが狭義のブルーグラスやカントリーの
ファンのためだけに歌われているのでないことは容易に判ります。
もっと幅広く、音楽を愛する人々のために作られてきたと言える内容です。
逆に言えばカントリーやブルーグラスをもっと一般的に広めようと頑張っている
という結果なのかも知れません。

シンガーとして、フィドラーとして、またバンド・リーダーとしての
その長いキャリアのすべてをここに集約し、あらためて彼女が
全世界に問いかける入魂の作品がリリースされました。

これはもう一切のカテゴリーを超越してしまった、全音楽ファンへの
極上のヴォーカル・ミュージックと言って良いと思います。


Forget About It

彼女のアルバムにいずれも共通しているのは、非常に丹念に
気持ちを込めてアルバムが作られていること。本人と同じくらい
熱心に作品作りに当たるスタッフが当初からそういう姿勢で
作ってきたのでしょう。このアルバムでもその姿勢は貫かれ、
より幅広い人々に訴えかけるように作られています。そのためか
この作品に限りブルーグラス臭はほとんど感じなくなっています。
すべてのヴォーカルファンに、すべての音楽ファンに聴いて欲しい
極上の歌物といえる1枚です。心からの超お薦め作品です!!
1999ROUNDER 0465 US盤 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


So Long So Wrong

冒頭からこれ以上気持ちよい音はないってくらい
軽快なノリのカントリー・ソング。バンジョーと
マンドリンが見事に溶け合って、その上にのっかる
クラウズの歌がたまらなく心を解きほぐしてくれます。
この極上のまろやかさはクラウズの独壇場でしょう。
3、4曲目はバラード・タッチな佳曲で耳をそばだてて
しまいます。ドラマチックです。構成も見事で
彼女の代表作足りうる1枚といっていいでしょう。

1997 ROUNDER 0365 US盤 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


Now That I've Found You

87年のROUNDERでのデビュー作(当時16才)以後の全作品から
ベスト選曲されたもの。このときすでに、より幅広くファンを獲得しようと
いう意識があったと思われる選曲で、カントリー色の薄い曲が中心に
選ばれています。apple Jamでも現在まで一番人気のある作品。
(1)と(2)を聴いただけでほとんどの人が彼女の虜になってしまいます。
こちらも極上の1枚。とはいえ、個々のオリジナル・アルバムを買うと
すべてダブります。さて貴方ならどうする?選曲がとても良いので
判ってて全部買うという方もありますが。

1995ROUNDER 0325 US盤 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


And The Cox Family

二度のグラミー受賞で勢いにのるアリスンと
ルイジアナのカントリー一家「ザ・コックス・ファミリー」
との夢の共演・・・とはジャケット裏の解説からの
引用ですが、小気味よくスイングする(1)など聴いてると
今時のカントリーはGOOD AMERICAN MUSICのシチュー
といえるのかな、なんて感じます。この中でアリスンは
3曲しかリードヴォーカルをとっていませんが、随所で
彼女のフィドルとヴィオラが聴かれます。

1994 ROUNDER 0307 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


Every Time You Say Goodbye

チャカポコいうバンジョーに導かれて妖精のような声が流れてくるだけで、
そこはもうケンタッキーの大平原。そんな気持ちにさせられますが、
実は彼女はイリノイ生まれで、12才の時にはそのイリノイでフィドル・
チャンピオンに選ばれています。恵まれた家庭で愛情をたっぷり
注がれながら、幼い頃から英才教育を受け、順調に成果を上げていく。
なんだか絵に描いたようなドリーム・ライフですがそこにはたゆまぬ
努力があったと思われます。彼女の歌と演奏からは非常に
ポジティヴな躍動感と、なにより生きていることの喜びみたいなものが
じわじわと伝わってきて心の底から魅了されてしまいます。超お薦め!
1992 ROUNDER 0285 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


I've Got That Old Feeling

高域によく伸びる彼女の声を強調したかったのか、
ややブライトな録音状態がかえってキンキンしてしまって
耳に痛く聞こえるのが残念ですが、作品自体は非常に
ハイレベルな仕上がりです。典型的なブルーグラスの
作風は好みが分かれるところでしょうが、可憐味もある
力強いヴォーカルは何にも増して魅力的。バンドも
ドブロ、バンジョー、フィドルが程良くメルティング
していて快感を誘います。超お薦め!

1990 ROUNDER 0275 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


Two Highways

18才でこれだけの作品を作ってしまえるというのは、
もちろんブレーンのサポートも大いにあるのでしょうが、
やはり類い希な才能がそこに開花していなければ
無理でしょうから、後追いで彼女を聴いる私としては
あらためて感動しています。
少女から大人への狭間にあってきっとプライヴェートにも
多感な頃だったのだろうと思うと余計感情移入してしまいます。
典型的なブルーグラスの中にも、都会の女の子を思わせる
センスがちらほら。時代の流れですかね。お薦めです!
1989 ROUNDER 0265 ジャンル:ブルーグラス/カントリー


Too Late To Cry

記念すべきROUNDERでのデビュー作。当時16才とは勿論
思えない大人ぶりは、最近ではリアン・ライムスもそうでしたが、
女の子の方が早熟だという説は事実なんだなと思います。
え、関係ないですね。(笑) そのリアンと比較するのも変ですが
こちらの方が純粋にブルーグラスしている点で私は好きです。
さすがに89年以降の作品には表現力というか、奥行きで
敵いませんが、やや青っぽいリンゴ果汁といった酸っぱさが
また新鮮ではあります。

1987 ROUNDER 0235 ジャンル:ブルーグラス/カントリー